26. ページ33
.
『おはよう。みんなは？』
「もう出かけた。お前も食うか？」
今日は美咲ちゃんが早番で私は遅番の日。リビングのソファーでは、夏向がひとりで朝ごはんを食べていた。
キッチンでごはんを皿によそってくれてる間に、ソファーに座る。
やっぱり料理してるときの夏向の後ろ姿、好きだな。
『夏向、ひとつ聞いてもいい？』
「ん？」
『美咲ちゃんのこと…………、好き？』
振り返った夏向の表情が固まる。
それはそうだ。だって私のこと好きだって言ってるのに、他の子を好き？って聞かれてるんだから。
でもずっと、気になってた。あの日、美咲ちゃんにした、キスのこと。
『ずっと前に、見ちゃって……お店で…………キスしてとこ』
「あれ、は、…………はぁ…、何で知ってんだよ…」
大きく溜息をついた夏向に、なんだか泣きたくなる。知らないフリができるほど、私はまだ大人じゃない。
やっぱり、見間違いじゃなかったんだ…。
「別に好きだからってキスしたんじゃねえし…… あいつに気持ちなんて始めからない」
『……じゃあどうして、』
「あの時は早くうちから出てってほしかったんだよ…、それだけだ」
夏向の話によれば、ここへ恋愛をしに来た美咲ちゃんの目標であるキスをすることで、すぐに出て行くと思ったらしい。
……どうしよう。全然、よく分からない。
頑張って理解しようと頭を悩ませていると、自宅電話のコール音が鳴った。
「はい、柴崎です。はい、……………分かりました」
『夏向、誰から…？』
私のごはんをテーブルに運んだあと、受話器を取った夏向の表情が曇る。
どうしたんだろ…。だけど、いい知らせじゃなかったことは確かだ。
「冬真が、…………退学になった」
『え…？』
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1198人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
I(プロフ) - みどくろさん» みどくろさん、ありがとうございます！！ お互いがんばりましょうっ(*^^*) (2016年9月6日 18時) (
レス) id: f5b592d975 (このIDを非表示/違反報告)
みどくろ - Iさん» 続編おめでとうございます！勉強がんばりますね♪ (2016年9月6日 16時) (レス) id: d4bef834e4 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - みどくろさん» 無理なさらずにお勉強がんばってくださいね^ ^ お時間あるときにまた遊びにきてください♪ (2016年9月5日 22時) (レス) id: f5b592d975 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - みどくろさん» いえいえ、デシャヴってやつかもしれないです…（笑）でもこうして、みどくろさんが初めてコメントしてくださったことが本当に嬉しいです！！ ぁ、その手がありましたか！お勉強忙しそうですね…そういえばそのドラマに賢人くん出てましたね！ (2016年9月5日 22時) (レス) id: f5b592d975 (このIDを非表示/違反報告)
みどくろ - Iさん» あらら。実はコメしてたり...したかもです。。どっちにしろ名前覚えているなんですごい！流石！私の姉がYouTubeにうpされた好きことの動画見ているんですけど、なかなか時間無くて...(￣ー￣)今は勉強の息抜きに35歳の高校生を見てます。時間があったら見てみますね！ (2016年9月5日 21時) (レス) id: d4bef834e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：I
| 作成日時：2016年8月16日 17時
