21. 小指を結ぶのは ページ4
.
” まもなく花火の打ち上げを開始致します ”
「…おっ、始まる始まる〜！ オレ、飲み物買ってくるからちょい待ってて」
『うん、わかった』
「……あ、」
一度、背を向けた冬真がなにかを思い出したように振り返る。なんだろう、忘れ物？
「あのさ、やっぱ一緒行く？ 今日のA可愛いすぎるから男に誘拐される……」
『……、』
「え、待って。Aちゃん、なんでそんな冷たい顔…？」
『……………、』
「……いや、オレけっこう真面目に言ってるよっ！？」
冬真って、どうしていつも急に変なこと言い出すんだろう…。
『冬真……、大丈夫だよ。気をつけるから安心して…？』
「ほんとに…？」
『うん、本当に』
「はぁ、………わかった。じゃあ、なんかあったらすぐ連絡ね！」
渋々頷いてから、すぐ戻る！と手を振り走って行った冬真がなんだか可愛いくて、私はこっそりクスクスと笑ってしまった。
今日は本当に沢山の人たちで賑わっていて、私たちと同じように浴衣姿の男女が行き交っている。
今頃、美咲ちゃんは秋ちゃんと楽しんでるかな。
” ………、…もうあんな男には会いたくないだけ。じゃあね ”
楓さんは、本当にあれでいいのかな…。
” ……ドンッ ”
「いっ、てぇ…、」
『あっ……すみません…っ』
「………アレ？ 君…、楓の知り合いだよね？」
ぼんやりしていたせいで、後ろから歩いてきた男の人とぶつかってしまった。
当たった肩を軽くさすりながら顔を上げる。この顔、どこかで……
あぁ、そうだ。喫茶店から出てきたあの時の男の人だ。
『えっと……、楓さんの、お友達ですか？』
「ははっ、俺と楓は…………もーーっと、深い関係」
『……、？』
目の前で嘲笑うように歪んだ唇から、次から次へと並べられた事実は、あまりにも悲しかった。
秋ちゃんに、今すぐ伝えなきゃ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1198人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
I(プロフ) - みどくろさん» みどくろさん、ありがとうございます！！ お互いがんばりましょうっ(*^^*) (2016年9月6日 18時) (
レス) id: f5b592d975 (このIDを非表示/違反報告)
みどくろ - Iさん» 続編おめでとうございます！勉強がんばりますね♪ (2016年9月6日 16時) (レス) id: d4bef834e4 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - みどくろさん» 無理なさらずにお勉強がんばってくださいね^ ^ お時間あるときにまた遊びにきてください♪ (2016年9月5日 22時) (レス) id: f5b592d975 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - みどくろさん» いえいえ、デシャヴってやつかもしれないです…（笑）でもこうして、みどくろさんが初めてコメントしてくださったことが本当に嬉しいです！！ ぁ、その手がありましたか！お勉強忙しそうですね…そういえばそのドラマに賢人くん出てましたね！ (2016年9月5日 22時) (レス) id: f5b592d975 (このIDを非表示/違反報告)
みどくろ - Iさん» あらら。実はコメしてたり...したかもです。。どっちにしろ名前覚えているなんですごい！流石！私の姉がYouTubeにうpされた好きことの動画見ているんですけど、なかなか時間無くて...(￣ー￣)今は勉強の息抜きに35歳の高校生を見てます。時間があったら見てみますね！ (2016年9月5日 21時) (レス) id: d4bef834e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：I
| 作成日時：2016年8月16日 17時
