07. バラードをあなたに ページ34
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『どう…？』
「……A、綺麗だよ。すごく」
『ほんとに…？ でもやっぱり背中開きすぎじゃないかな…』
「まあ、男たちの視線が心配なとこだけどね……でも本当に似合ってる」
ラベンダーのシフォンドレスに着替え終わった私を見て、黒のタキシード姿でばっちり決めた秋ちゃんが微笑む。
急遽決まった結婚式に着ていく服がなかった私は、朝早くから式場で衣装選びをしていた。
こんなふうにフォーマルな格好するのは、コンクールの時以来でなんだか落ち着かない…。
それに、このヒールも歩き慣れなくて転びそう……、
『……きゃっ、』
” ガシッ…”
「お怪我はないですか？ お姫様」
『……っ、』
思ったとおり転びそうになった私の腕をとっさに掴み、からかうように目の前で微笑む秋ちゃんはやっぱり意地悪だ。
「せっかく綺麗になったのに、転んだらもったいないよ？……ほら、」
『え…？』
「危ないから、エスコートしてあげる」
左手を差し出されて、ぽかんとしていた私の右手を秋ちゃんがそっと掴む。
小さい頃はよく手をつないで歩いたけど、大きくなった今とは意味が違う。
つないだ手と手から、熱がこもる。
美咲ちゃんに罪悪感を感じながらも、なぜか胸がまた、…うるさくなった。
＊
＊
＊
「夏向くん、今日は本当にありがとう」
「……あんたのためじゃない」
式場に着いてから仕上げをした料理を配っていると、兄貴の元カノが近寄ってきた。
この女のことはなぜか、昔から好きになれない。
「楓、これどう？ Aのドレス、おれが選んでみたんだ」
「うん…、すごく綺麗だと思う。Aちゃん、似合ってるね」
『あ、ありがとうございます…』
「ウエディングドレス姿のAはもっと綺麗だろうなぁ……な？ 夏向」
「……別に普通だろ、」
なぜか手を繋いでやって来た兄貴とAの姿に、この女の笑顔が引きつっていく。
そんな様子に気づきもしない鈍感な兄貴が、俺を試すように視線を送ってきた。
つーか、その手なんなんだよ…
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I(プロフ) - レイさん» レイさん、コメントありがとうございます！！ …夏が人に恋をさせる らしいですからね、日村信之(36)さんによると（笑）気にいってくださってとても嬉しいです。これからもお楽しみください(*^^*) (2016年8月3日 10時) (
レス) id: 1e35e1a13a (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 夏の恋って憧れますよね！素敵な作品と出会えて感謝です。\(*´∀`*)/ (2016年8月3日 7時) (レス) id: e7a4dccf18 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - KIKIさん» KIKIさん！コメントありがとうございます(*^^*) …そうなんです、これを書き始めたときにただの夏のラブストーリーではなく夏特有の切なさも織り交ぜたいと思ったので、切なさが伝わっていてとても嬉しいです☆ (2016年7月28日 13時) (レス) id: 1e35e1a13a (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - ＊いちご＊さん» いちごさん、コメントありがとうございます^_^ きゅんきゅんニヤニヤしていただけて私のほうこそニヤニヤしております（笑）冬真の本気なのか冗談なのかわからないアプローチが書いててとても楽しいです♪ (2016年7月28日 13時) (レス) id: 1e35e1a13a (このIDを非表示/違反報告)
KIKI - 初コメスミマセン。すっごく切ないです！でも、とっても面白いです (2016年7月28日 9時) (レス) id: 9086491411 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：I
| 作成日時：2016年7月13日 2時
