04. ページ20
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あの女が飛び出した後、どこか焦ったような兄貴が店へとやって来た。
「櫻井、来てないか？ 連絡つかないんだよ…」
「出てったんだろ、あんな奴うちには必要ない」
「はぁ……Aとも連絡とれないんだ。家にも帰ってきてないし…」
嘘だろ、あれから帰ってないのかよ。
いくらぼーっとしていたとはいえ、昼間は強く当たりすぎたかもしれない。
けど、俺は正論を言ったまでだ。あいつだって納得して帰ったはず。
「そのうち帰ってくんだろ…」
「お前、心配じゃないのか？」
「……、」
「…もういい。いま冬真にも探してもらってるから、おれは櫻井のこと探してくるよ」
そう言って去っていった兄貴の顔は、必死だった。
そんな兄貴と比べて、昔から傷つけることしかできない自分が、どうしようもなく情けなかった。
…心配？
「……するに決まってんだろ、」
＊
＊
＊
私はまた、ひとり。
あてもなく彷徨っていた。
走り疲れてたどり着いたのは、静かな夜の海。私は石段に座りこんだ。
生ぬるい夏の夜風が、そっと、熱を冷ましていく。
いっそ、この真っ黒な波にすべて投げだしてしまいたい。
そしたらこんな気持ち、ぜんぶ流れて溶けていくのに。
「……帰んないの？」
『…………どうし、て、』
後ろから声がして振り返ると、そこには冬真がいた。横には愛用のBMXが停めてある。
冬真は昔からいつも、私を見つけてくれるね。
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I(プロフ) - レイさん» レイさん、コメントありがとうございます！！ …夏が人に恋をさせる らしいですからね、日村信之(36)さんによると（笑）気にいってくださってとても嬉しいです。これからもお楽しみください(*^^*) (2016年8月3日 10時) (
レス) id: 1e35e1a13a (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 夏の恋って憧れますよね！素敵な作品と出会えて感謝です。\(*´∀`*)/ (2016年8月3日 7時) (レス) id: e7a4dccf18 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - KIKIさん» KIKIさん！コメントありがとうございます(*^^*) …そうなんです、これを書き始めたときにただの夏のラブストーリーではなく夏特有の切なさも織り交ぜたいと思ったので、切なさが伝わっていてとても嬉しいです☆ (2016年7月28日 13時) (レス) id: 1e35e1a13a (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - ＊いちご＊さん» いちごさん、コメントありがとうございます^_^ きゅんきゅんニヤニヤしていただけて私のほうこそニヤニヤしております（笑）冬真の本気なのか冗談なのかわからないアプローチが書いててとても楽しいです♪ (2016年7月28日 13時) (レス) id: 1e35e1a13a (このIDを非表示/違反報告)
KIKI - 初コメスミマセン。すっごく切ないです！でも、とっても面白いです (2016年7月28日 9時) (レス) id: 9086491411 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：I
| 作成日時：2016年7月13日 2時
