03. ページ15
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『…と、トイレっ！』
「あ、逃げた」
とっさに出たバレバレな嘘とともに、私はその場から逃げた。
どうしてもっと早く気づかなかったんだろう。横から逃げれないなら、しゃがんで逃げればよかったんだ…
『はぁっはぁっ……、』
「あ、Aちゃんおはよう！……ってどしたの？」
『……はぁはぁっ………ちょっと、…はぁっ、逃げてきて』
「ん？ どゆこと？」
慌てて階段を降りて、息を整えると、キッチンにはエプロン姿の美咲さんが甘い香りを漂わせていた。
「……つかまえた」
” ぎゅっ…”
『わっ、』
「さ、さすがプレイボーイ…」
まるで昨日のように、後ろから冬真に抱きしめられて身動きがとれなくなった。
美咲さんの顔、引きつっちゃってる…。
” バッ…、”
「…おぉっ！ これ、美咲ちゃんが作ったの！？」
「あ、うん！…たべてみてっ？」
「あーーーん、」
『え？』
「だから、あーーーん…」
パッと体が離されたかと思えば、さすが甘党。
私にフォークをもたせて食べさせようとする冬真に、もはや呆れながらもケーキをその口に運ぶ。
ちなみに……あーーーん、の一言つきで。
「うわっ、うんま！！！」
「ほ、ほんとに！？」
『私も……食べていいですか、？』
「…だ、だめかなっ」
『…え、』
「美咲ちゃん、鬼…？」
まさかの美咲さんのダメの一言に、私たちは驚いた。
冬真は食べてもいいのに私はダメって……なにか悪いことしたかな…。
「け、敬語をね？」
『敬語…？』
「やめてくれたら……食べても、いいよっ」
『え、美咲さん？』
「それからそのさん付けもなし！」
『でも…』
「いーんじゃん？ 敬語やめたらケーキ食えんだよ？」
ケーキ食べたいからって、年上の方にタメ口をきくのはどうなんだろう…。
私の様子をうかがう美咲さんは、なんだかモジモジしている。
「その…、せっかく一緒に暮らすんだし……仲良くなりたいと、思いまして…」
『………じゃ、あ、…お言葉に甘えて…』
「はぁ〜！ よかったぁ〜…」
『美咲ちゃん、これ……食べてもいい、？』
「も、もちろんっ」
私がケーキを頬張ると、さらに笑顔になった美咲ちゃんはやっぱり、可愛い人だと思った。
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I(プロフ) - レイさん» レイさん、コメントありがとうございます！！ …夏が人に恋をさせる らしいですからね、日村信之(36)さんによると（笑）気にいってくださってとても嬉しいです。これからもお楽しみください(*^^*) (2016年8月3日 10時) (
レス) id: 1e35e1a13a (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 夏の恋って憧れますよね！素敵な作品と出会えて感謝です。\(*´∀`*)/ (2016年8月3日 7時) (レス) id: e7a4dccf18 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - KIKIさん» KIKIさん！コメントありがとうございます(*^^*) …そうなんです、これを書き始めたときにただの夏のラブストーリーではなく夏特有の切なさも織り交ぜたいと思ったので、切なさが伝わっていてとても嬉しいです☆ (2016年7月28日 13時) (レス) id: 1e35e1a13a (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - ＊いちご＊さん» いちごさん、コメントありがとうございます^_^ きゅんきゅんニヤニヤしていただけて私のほうこそニヤニヤしております（笑）冬真の本気なのか冗談なのかわからないアプローチが書いててとても楽しいです♪ (2016年7月28日 13時) (レス) id: 1e35e1a13a (このIDを非表示/違反報告)
KIKI - 初コメスミマセン。すっごく切ないです！でも、とっても面白いです (2016年7月28日 9時) (レス) id: 9086491411 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：I
| 作成日時：2016年7月13日 2時
