03. ページ14
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ベッドに寝かせてから布団をかけて部屋を出ようとしたとき、今にも泣きそうな声が、俺を引き止めた。
『…やだ、よ………いかな、い、で』
…母親の夢を見ているんだろう。
Aはおばさんが亡くなってから、泣かなくなった。
それでも。寝言をつぶやいたAの頬には、涙がつたっている。
本当は寂しくてたまらないはずなのに、こいつはそれを俺たちに見せないように必死に笑ってきた。
そんなAを、守ってやりたかった。けど…、
「……………ごめんな、」
握った手は小さく、握り返された力はひどく弱々しかった。
＊
＊
＊
『…んぅ、……あれ、』
久しぶりにお母さんの夢を見た朝。目覚めると、私は自分の部屋にいた。
昨日の夜はたしか……
そ秋ちゃんに髪を乾かしてもらってるうちに眠たくなって……寝ちゃった…？
でも、どうやってここまで来たんだろ。
それに誰かが、ずっと手を握ってくれていたような……夢かな。
結局よく思い出せないまま、リビングに向かおうと部屋を出ると……どこからか、甘い香りがする。
そんな甘い香りに誘われたのか、部屋から同じく寝起きの冬真がでてきた。
「あ、A。おっはよ〜」
『おはよう、冬真』
「…ぎゅ〜〜」
『……？』
「朝チャージさせて？」
そう言って腕を広げて抱きつこうとしてきた冬真に、昨日の言葉が頭をよぎる。
” 冬真には気をつけろ ”
『わっ……だ、だめ！』
「え、」
『だ、だって…』
「A、オレのこと嫌い…？」
『そういう意味じゃ………ひゃっ、』
なんとか阻止できてホッとしたのも束の間…、
いつのまにか壁際に追いやられて、さらには顔の横に腕をつかれてしまった。
目の前にはドアップで冬真の顔、そして後ろはもちろん壁。
どうしよう…、にげれない。
「じゃあ、オレのこと好き？」
『へ…？ えっと……』
「ん？」
なるべく目を合わせないように顔を背けると、それに合わせるようにして冬真がさらに顔を近づけてくる。
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I(プロフ) - レイさん» レイさん、コメントありがとうございます！！ …夏が人に恋をさせる らしいですからね、日村信之(36)さんによると（笑）気にいってくださってとても嬉しいです。これからもお楽しみください(*^^*) (2016年8月3日 10時) (
レス) id: 1e35e1a13a (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 夏の恋って憧れますよね！素敵な作品と出会えて感謝です。\(*´∀`*)/ (2016年8月3日 7時) (レス) id: e7a4dccf18 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - KIKIさん» KIKIさん！コメントありがとうございます(*^^*) …そうなんです、これを書き始めたときにただの夏のラブストーリーではなく夏特有の切なさも織り交ぜたいと思ったので、切なさが伝わっていてとても嬉しいです☆ (2016年7月28日 13時) (レス) id: 1e35e1a13a (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - ＊いちご＊さん» いちごさん、コメントありがとうございます^_^ きゅんきゅんニヤニヤしていただけて私のほうこそニヤニヤしております（笑）冬真の本気なのか冗談なのかわからないアプローチが書いててとても楽しいです♪ (2016年7月28日 13時) (レス) id: 1e35e1a13a (このIDを非表示/違反報告)
KIKI - 初コメスミマセン。すっごく切ないです！でも、とっても面白いです (2016年7月28日 9時) (レス) id: 9086491411 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：I
| 作成日時：2016年7月13日 2時
