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目がさめると、何故か降谷と裸でベッドに寝ていた。
唖然だ。
どういう事だろうかとオロオロしていると降谷が起きた。
そして起き抜けに一言。
「言っておくがコレに恋愛感情は含まれていないぞ」
「…そうか」
「昨日酒の勢いでしただけだ。
勘違いするなよ」
「わかっているさ」
嫌な奴だと自分でも思う。
降谷から漂う甘いグレースの香りは私の着けている香水のそれだ。
既成事実でも作っておけば良かったか、なんていう悪魔な私を押し黙らせ、自分に言い聞かせるようにわかっている、という。
「じゃあ俺は非番だから…
金は俺持ちでいいからさっさと帰ってくれ」
そう言われて気づいた。
ここは降谷の家だ。
「…帰り道がわからん」
「あー…まっすぐ右に行ったら駅があるから」
そう言って彼は綺麗にしてあるベッドの毛布の中に包まった。
暗にさっさと出て行けと言っているのだろう。
「じゃあな。降谷」
そう言っても彼は何の返事もない。
少し寂しい気もするがこんな感情は持っては行けないのだと気を持ち直す。
駅から警察庁へ戻ると、どうやら何かざわざわとしていた。
「どうした?」
「降谷さんとお付き合いされたんですね!!おめでとうございます」
は?と口から出てしまって、周りが凍りつく。
昨日持ち帰られた私が降谷と付き合っているという噂が流れているらしい。
誰だ噂を流した奴。出てこい。
いや、突かれたのは確かだが。
「あー…勘違いだ。
私は降谷と付き合ってなんかいない。
第1私は再来月退職するのだから付き合ったところでだろう」
そういうとざわざわと周りが騒ぎ出す。
言った後でしまったと感じる。
言ってしまった。
「コレ、降谷にはいうなよ」
そういうとえー!と声をあげるものが現れたのでそっちを睨むとみんな口を揃えてはい!と良い返事をした。
コクリと頷いてうむ、というとホッとした表情になっていたが私は知らん。
さて、何処に行こうかなぁ。
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作者名:硫酸Ryu☆ | 作成日時:2018年4月11日 18時