２3 ページ25
.
スマホの着信音が意識の遠くで聞こえ
寝ぼけたままスマホを耳にあてた。
『もしもし』
「……はい。」
『永瀬です。ドア開けてもらっていいすか？』
「あ、永瀬くん…？今開けるね。」
電話を切って
だるい体を起こし、時計を見ると
もう18:00。
ずっと寝てたなんて
どれだけ弱っているんだ。
「ごめんね、来てもらって。」
廉「…ほんま辛そうっすね。
起こしちゃってすいません。」
永瀬くんは、
困った顔をしながら靴を脱ぐと
私の肩を抱えてベットまで
連れていってくれた。
廉「ご飯、食べました？」
「ううん。食欲なくて。」
廉「プリン買ってきたんすけど
食べます？」
「……食べる。」
廉「これも食べれそうすか？」
春雨スープを見せながら聞く永瀬くんに
コクリ、と頷いて答えた。
廉「お湯、借りますね。」
「うん、ありがとう。」
ドアの隙間から、
キッチンの永瀬くんの姿を覗き見する。
スラッとしていて、とても絵になる。
廉「できた。フーフーします？」
「…いい。」
春雨スープを持った永瀬くんが
からかうように聞いてきたから
恥ずかしくて、素っ気ない返事をしてしまった。
廉「はは、嘘です。
からかってすいません。」
永瀬くんは
春雨スープとお箸を私に渡して
枕元のテーブルに
桃の天然水を置いた。
廉「じゃあ、帰りますね。」
「えっ、」
まだ食べ始めたばかりなのに
そう言って立ち上がる永瀬くんに
思わず声も漏らした。
廉「ん？どうしました？」
「……待って。」
廉「……？」
少し首を傾げて
不思議そうに私を見る。
「…食べ終わるまで、帰らないで…？」
私が言うと、
眉を下げて切なく微笑んで
また座ってくれた。
廉「ほんま…ずるいわ。」
「え…？」
廉「可愛すぎんねん。」
「……」
永瀬くんの目を見てられず
春雨スープをまた食べ始めた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 900人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆもちゃ。(プロフ) - あやさん» ありがとうございます！期待に添えるように頑張ります！( >ω< ) (2018年5月28日 18時) (
レス) id: 8a3dc3d2c2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆもちゃ。(プロフ) - くるみさん» 嬉しいです！ぎりぎりまでこじらせていきたいと思ってますのでお付き合いください（＾_＾）笑 (2018年5月28日 18時) (レス) id: 8a3dc3d2c2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆもちゃ。(プロフ) - ししまるさん» ありがとうございます！頑張ります！(p`･ω･´q) (2018年5月28日 18時) (レス) id: 8a3dc3d2c2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆもちゃ。(プロフ) - ちょなつさん» ありがとうございます！嬉しいです(´∀`) (2018年5月28日 18時) (レス) id: 8a3dc3d2c2 (このIDを非表示/違反報告)
あや - このお話大好きです！とても面白いです\(*´▽`*)/更新待ってます！ (2018年5月21日 15時) (レス) id: 05ff465bea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ももも。
| 作成日時：2018年5月4日 8時
