近くて遠いキミ【佐野万次郎】

22⌇彼を連れ戻せ ページ24

「気づいた？」

目が覚めると、集会はもう終わっていて、横にはマイキーくんが座っていた。
オレ、稀咲に殴られて気失ってたのか…

「タケミっち。稀咲、気に入らない？」

「え？いや…その…」

「組織をでかくするのはしんどいね。新しい風入れたら出てっちゃうやつもいる。夢への道は遠いな…」

「マイキーくん…」

「タケミっち…場地を連れ戻してくれ。オレ、アイツのこと大好きなんだ。それに、Aも悲しむ。頼まれてくれるか？」

「マイキーくんの頼みならもちろん！でもオレからも頼み事していいっすか」

「なに？」

「稀咲を…東卍から外してください！なんであんなヤツ東卍に入れたんすか…！理由は説明できないですけど、稀咲はこの先絶対東卍をだめにしますよ！」

「…いいよ」

「えっ？いいの？」

「近いうちに芭流覇羅とぶつかる。それまでにオマエが場地を取り戻せ。稀咲がやばいヤツなのはオレもわかってる。オレに貢献しろ、タケミっち。オレに交換条件を出したんだ。失敗したら…コロス」

「…」

「三ツ谷！A！さっきから何盗み聞きしてんだ！出てこい」

「いやぁばれたか…Aがトイレ行きたいっつーから探してたら話し声が聞こえて…」

『人のせいにしないでよ！』

「ちょうどいーや。オマエんとこの弐番隊にタケミっちいれることにした。今日から正式に東卍のメンバーだ。よろしくな」

「なんで盗み聞きなんてしちまったんだ…」

『タカちゃん、そんなこと言わないの！タケミっち、おめでとう！それよりマイキー、圭ちゃんのこと…私が集会来てない間に何があったの…？』

「…大丈夫だ。場地はタケミっちが連れ戻す。だからオマエは信じて待ってろ。間違っても自分が連れ戻そうなんて思うなよ。相手は芭流覇羅だ。何されるかわかんねぇ。」

『うん…』

「ていうか…オマエ何普通に集会出てんの？」

『もう…タカちゃんが盗み聞きなんてするからバレちゃったじゃん！』

「オマエが場地に声かけたからだろ」

「アホか、最初っから気付いてたわ。オマエのことなんかすぐ見つけられんだよ」

『…じゃあこれからも来ていい？』

「それはダメだ。これから芭流覇羅とぶつかるんだ。頼むからわかってくれ。」

『…わかった。その代わり、絶対無茶はしないって約束して』

「…約束する」

『あと…圭ちゃんも絶対連れ戻して』

「わかってる」

『タケミっち！圭ちゃんのこと、よろしくね』

「ハイ！！」

『…タカちゃん、帰ろ！』

「おー」

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