近くて遠いキミ【佐野万次郎】

13⌇助けに行くぞ ページ14

電話が切れたのと同時に家を飛び出した
「クソッ！」途中から雨が降ってきて視界が悪くなるが、無我夢中でアクセルを踏み込み、電話で聞いた場所に向かうと、道の端っこで座り込むAを見つけた

「ッAっ！！」

バブを乗り捨て、雨で冷え切ったAのことを抱きしめる

『マイキー、来てくれてありがと…』

「当たり前ぇだろ！！大丈夫か？！何された？！」

『ちょっと腕引っ張られただけ。通りすがりの人が助けてくれたから大丈夫』

Aの腕をみると強く引っ張られたのか、赤く跡が残っている

「…相手は誰だ？」

Aに汚ねぇ手で触りやがって…絶対許さねぇ…

『わからない、でも…この前の長内たちと同じ特服きてた』

「愛美愛主か…？ていうかオマエ…なんで1人でこんなとこいるんだ？」

『エマがうちに携帯忘れてそれ届けようと思って…』

「はぁ、アイツ…」

『あと…ぺーやんから連絡がきて』

「…ぺーやん？」

『相談したいことがあるから武蔵神社に来てほしい、って』

「…A、立てるか？」

『うん』

「ケンチンが危ねぇかもしんねぇ」

『え？どういうこと…？』

「とりあえず後ろ乗れ」

武蔵神社の駐車場へ着くと、そこには案の定愛美愛主のヤツらと、頭から血を流したケンチンたちがいた

「なるほどね…Aを餌にしてオレを別のところに行かせてる間にケンチンを襲ったのか。
で…オレのせいにして東卍真っ二つに割っちまおうと」

「オレはッ、ただパーちんを…！」

「これはオマエのやり方じゃねぇ。誰に唆された？」

「…」

「へぇ…いがーい。マイキーってアタマもキレるんだね」

『あ、さっきの…！』

「コイツが…？…オマエ誰だ？」

「だりぃ〜…オレが誰とかどうでもいいけど、今一応仮で愛美愛主仕切ってる半間だ」

「オマエが裏でネチネチしてるキモいやつか。…Aに勝手に触ってんじゃねぇよ…」

「めんどくせぇなぁ、マイキー」

「ッ？！」

目の前の半間に蹴りを入れるが、片手で止められた。なんだコイツ…

「そんなに急ぐなよ、マイキー。オレの目的は東卍つぶし。でも…結果オーライかなぁ。これで無敵のマイキーをこの手でぶっ殺せるからなぁ！
愛美愛主総勢100人、対して東卍は4人！前みたいにひよんじゃねぇぞテメェら！！」

「「うっす！！」」

「マイキーもドラケンもまとめて皆殺しだァ♡」

14⌇ＶＳ愛美愛主→←12⌇武蔵祭り当日

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す