近くて遠いキミ【佐野万次郎】

12⌇武蔵祭り当日 ページ13

8月3日

エマが、A浴衣着せて〜！と両手に荷物を抱えてやってきた。

『はい、できたよ！』

「わー！さすが！完璧！ありがとう〜！ねー、Aほんとにお祭り行かないのー？」

『うん、みんなの邪魔しちゃ悪いし！4人で楽しんできて！』

「全然気にしなくていいのに…もー！マイキーも何やってるんだろ！Aのことお祭りに誘わないなんて！」

私の代わりに怒ってくれるエマ

『まぁ、パーちんがあんなことになったばっかだし、お祭り行く気分にならないのもわかるから』

「Aいい子すぎー！大人ぶっちゃってさぁ！」

『だから！楽しんできて！ね！』

「わかったー。じゃあお土産買ってくる！何がいい？」

『んー…綿飴とりんご飴とチョコバナナと…「ちょ、ストップストップ！多すぎ！そんな覚えられないって！」

2人で笑っていると、ケンちゃんのバイクの音が聞こえてきた

『あ、お迎えきたよ』

「ほんとだ！じゃあ…とりあえず綿飴！買ってくるから待っててね！行ってきまーす！」

『行ってらっしゃい〜！』

本音を言うと浴衣着たかったし、お祭りも行きたかったけどエマたちの邪魔したくないから今回は我慢！
暇だし夏休みの宿題でも進めようかな〜！と、テーブルに座ると、エマの携帯が目に入る

『忘れてるし…』

急いで外に出るけど、もう2人の姿はなかった。

ケンちゃんと一緒に行ったから別に待ち合わせには困らないよね？でも携帯なかったら不便かな？

なんて迷っていると自分の携帯にメールが届いた。相手はぺーやん。珍しい…。本文には折り入って相談したいことがあるから、武蔵神社に来てほしい、と書いてある。

パーちんのことがあってからぺーやん心配だったし、エマにも携帯届けられるし一石二鳥じゃん。
了解、待ってて！とぺーやんに返信し、エマの携帯を持って家を出た。

ついでにチョコバナナとりんご飴も買って帰ろ。
どうせマイキーも暇してるだろうし、何か買っていってあげようかな〜何がいいかな〜なんて考えながら歩いていたら、神社はもうすぐそこ。
とりあえずリクエストあるか聞いてみよー、と発信ボタンを押して携帯を耳にあてた瞬間目の前に数人の人影が…

「可愛い子みーっけぇ♡」

『え…？』

〔もしもし？…オイA？どーした？〕

「遊ぼうぜぇ〜♡」

『ちょ、離してください、！』

〔A！！今どこだ？！〕

『ッ、武蔵神社の近く！』

〔すぐ行くから待ってろッ！！〕

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