ヒモのしょーちゃん２

しょーちゃん質に入れられる ページ8

休日のブランチ。

S「うーん…うーん…」

この人の事はとりあえず置いといて


冷凍のパイシートで生ハムとアスパラをくるくる巻いてオーブンに

ポテトサラダにはアンチョビと今年はじめてのそら豆。半分は晩酌用に取り分けて、半分はポテサラに

冷蔵庫には前に作った紫キャベツのピクルスとピーマンのマチェドニア。

ピーマンとパプリカをワインビネガーで漬けて、ピクルスと同じだけどオレンジ果汁を効かせて甘めに仕上げるからデザート風。



オーブンをもう一度覗いてから

M「翔〜？ワイン開いた？俺やろっか？」

さっきから顔を真っ赤にして、ワインの瓶をオマタに挟んでる姫に声をかける。

S「いーから！翔がやるの！」

ありゃりゃ。背中を向けられた。
どうしたんだろ？鍋を洗いながら今朝のベッドの中から会話を思い出してみる。

えーっと…今日も可愛いよ…やだもぅ…
ちょっと早送りするか…

あ、翔の腹が鳴って、今日は初物のそら豆だよって言って…

初物って？て聞くから、江戸っ子は女房を質に入れても初鰹…それか。

M「翔ぉ〜？」

ワインの瓶ごとギューッと抱きしめると

M「翔は質に入れないよ？」

睫毛をこすりあわせて話す。

S「でも翔…なんもできないし」

M「なぁんで？」

瓶をそっとテーブルに置くと、真っ赤になった手に唇を滑らせる。

M「なぁんも出来なくても、俺は翔じゃなきゃダメ。たぁくさん俺のご飯食べてたぁくさんギューッとして、ニコニコしてくれなきゃヤダ。はい、ニコニコは？」


ぷっくりホッペをつまんで、クイッと持ち上げる。

うっかり質に入れたりしたらこんな可愛い子、返して貰えなくなっちゃうもん。


オーブンが鳴るまで、ホッペをつまんだり離したりを繰り返す。





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