ヒモのしょーちゃん２

しょーちゃんキュンとする ページ7

S「ヨシッ！お出かけだよぅ」

黒猫ちゃんをダンガリーシャツの胸ポケットに入れて、モッズコートを羽織ったらぽんぽん帽子をかぶる。

今日は智君とこ行こうかな？

S「唐揚げ余ってたらイイねぇ〜」

黒猫ちゃんとお喋りしながら歩く。
…だって最近、潤が唐揚げ作ってくんないの。

デブのモト！って。デブじゃないもん！ちょびっとむくんだだけだもん！唐揚げ食べたいもん！



智君のスーパーに着いたら、智君は見当たらなくて、加藤君がお魚売り場の裏だよって教えてくれた


智君はオーナーさんだけど、加藤君に経営は任せて、その日パートさんがお休みした所で働いてる。


なぁんだ。今日はお魚か↓
黒猫ちゃんも翔もお魚あんまり食べないし。

お寿司とかはイイけど煮魚はヤダ。スイスの寄宿学校もお肉の方が多かったし。

オックスフォードん時はフィッシュ＆チップスは食べたよ？あれはフライだし美味しいじゃん。

…

S「さぁとしクン！」

裏口をのぞいたら、奥の窓ぎわで作業してる智君が見えた。ちょびっと猫背の背中が黙々と動いてる

S「さとしく…」

声をかけようとして固まった。

今まであんまり見た事のない真剣な顔。

やっと伸びた元パッツン前髪がおりた先に、くるんとカールした睫毛。

キュッと寄せられた眉毛はまな板の上の玉ねぎに向かってる。

トン…トン…

ゆっくりゆっくりだけど、正確に

潤とは違う少し骨ばったキレイな手が

真っ白な玉ねぎの薄い花びらを作って…


キュン。


ん？ナンだろ？潤と一緒の時になる感じ。



O「お、翔君いたの？」

振り向いた智君はいつもの智君で、今のなんだったんだろ？

O「コレ？カツオのたたき用だよ。食べる？」

「…オーナー！」加藤君が手でバツを作る。

O「ちぇ〜加藤君けちんぼ」ふんわり笑うから

S「けちんぼ〜」俺も笑う。



S「あ、智君。今日唐揚げある？」

ご用事忘れてた！

O「それねえ」智君が苦笑いする。

O「松本君から禁止令出ちゃって。ごめんね？」

S「えぇーッ！ナイショは？ね、ナイショ♡」

O「…それがさ、アイツにも」

指差した先にまたまたバツを作る加藤君。

S「ねぇ、加藤くぅん！」

「ダメっす。松本さん大学の先輩なんで絶対っす」

チッ！お色気作戦失敗か。

こうなったら大将を攻めないと。

S「黒猫ちゃん！帰って作戦会議だよ！」

首を傾げる兵隊二人には目もくれず家に駆け出す。





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