ヒモのしょーちゃん２

しょーちゃんの正ちゃん帽 ページ6

〜徹子の部屋より


新歓コンパだろうか、いつもより賑やかな改札を苦笑いですり抜ける。

ワイワイと固まる集団から少し離れた柱の影から、赤い毛糸のぽんぽんが出たり入ったり。

またか。

一直線にぽんぽんへ向かって走ると

M「コラ！子どもはお家に帰る時間だよ？」

ぽんぽんをグイッと掴む。

S「なんで翔ってわかったの？」

赤い正ちゃん帽の翔が出てくる。

M「春は酔っぱらいとかいっぱいだから、夜はお家にいて？」

S「…わかった。」

シュンと唇を尖らせて俯くから

M「今度からね？じゃあ今日はお外でご飯にしよっか？」

S「うん！」

揺れるぽんぽんと飲み屋街へ行こうとして、ふとさっきの新歓コンパ集団を思い出す。

あ。

M「翔、こっち。」

くるりと翔の手を掴んだまま踵を返して、再び改札をくぐる。

S「え？忘れ物？どこ行くの？」

不安げに揺れるぽんぽんに

M「潤の通ってた大学。夜桜がすごくキレイなんだよ？夜だからほとんど人いないし。」

S「ふぅん。翔も入ってイイの？」

M「大丈夫！唐揚げも買っていこう。」

S「わっふぉ〜い！」

テンション相葉で揺れるぽんぽん。

懐かしい駅の改札をくぐって、大学へ続く商店街で昔よく食べた唐揚げやらサラダやら

翔におねだりされたたけのこの里やら
ビールも買って

大きな門を久しぶりにくぐる。

それぞれの学部棟に囲まれるように広いピロティがあり、桜並木の下にサークル勧誘の手書き看板がずらり。

昼間はここが新入生の勧誘でごった返すが、今は理学部の実験室の灯りがポチポチくらい。

S「へぇ〜なんか面白そう！翔もサークルやってみたいなぁ」

物珍しそうに看板を眺める翔の手を引いて

M「こっちこっち」

一般にも開放しているウッドデッキへ。

M「ここは昼間は近所の人とか普通にいるんだよ？お腹すいたね。食べよう」

ちょうど桜の枝が伸びる下のベンチに腰かけて、唐揚げを広げる。

S「あのね、潤…」

もじもじするぽんぽんに

M「ふふ(笑)今日は黒猫ちゃんもイイよ。」

S「わっふぉ〜い！黒猫ちゃん、見て？桜だよ」

ポケットから出てきた黒猫ちゃんと３人でお花見。ビールを空けるうちに

S「ぁあ〜ん！よっぱらっちゃった〜」

しなだれかかるぽんぽん。

M「なんだソレ(笑)どこで覚えて来た？」

鼻をつまむと

S「松ニイ。」

あの夜王め！ロクな事教えねぇな。

M「俺は普通の翔の方がいいけど？」

S「翔も// 」

ぽんぽんがキスをせがむから黒猫に目隠しする


.

しょーちゃんキュンとする→←しょーちゃんのアクセサリーBOX

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す