ヒモのしょーちゃん２

しょーちゃんとさくらんぼ ページ40

S「見て見て！ほら。じょうず？」

しばらくモゴモゴしてると思ったら、器用に結んだ茎を出してニマッと笑う。

うーわ！さくらんぼ狩りのお約束…無邪気にニコニコしてるから余計にやらしい。

S「潤はできる？」

M「で、できるよ！」やった事無いだけで。

…

S「ね〜まぁだ？」

翔の前にはいつしかさくらんぼの種と結んだ茎の山。

イライラ…

M「こんなの出来なくてイイのッ！」

ペッと茎をはき出す。


S「うふふ(笑)翔すごいー？！」
　
M「お土産詰めて、宿行くよ！」

浮かれる翔を横目に

持参の発泡スチロールに慎重にさくらんぼを詰めていく。

翔はしばらくジッとそれを見ていたが

S「潤？」

M「ん？」

S「翔、口堅いから大丈夫だよ？」

…。

M「そりゃどうもご心配いただいて。」

優しさが逆に染みる(泣)



車を少し走らせて、小さな旅館に。元は個人の別荘だったとかでなかなか造りが凝っていて、中も広い。

今回は離れを奮発して、二人きりでゆっくり出来るようにした。

さっそく部屋の露天風呂に入れば、運転の疲れも抜けていく。いつものアパートの風呂と視界が広いだけでこうも違うのか。

S「おっきいお風呂イイね！」

さくらんぼ大臣もかわいいお尻を浮かせてパシャパシャ楽しそう。

普通の大浴場なら、もちろん止めさせるがここなら好きにさせておく。俺も好きにお尻を堪能させていただいた。


S「ぷはぁ〜疲れた！」

せっかく浴衣を着せてやったのにさっそく大の字で畳の上をコロコロする大臣。

今日アンタ、さくらんぼ食べてお風呂で泳いだだけじゃん。と思いつつ

M「もうすぐご飯来るから。ちゃんとして。ほらこっちおいで。」

いっぺん浴衣を引っ剥がして着せ直す。

テレビをつけたら丁度おじゃ忍タイム。翔がテレビを見ている間に配膳してもらう。

S「お肉〜♪」

事前に魚を肉に変えてもらい、翔の好物を並べてもらった。

食後、膳を下げてもらい、布団を敷いてもらう間に庭を散策する。

M「足元気をつけて…」

S「潤〜この靴痛い〜」

慣れない下駄で指が痛いらしい。

M「大丈夫？そこ座ろ？」

庭池を臨む石に腰を下ろせば、辺りは漆黒の闇。さくらんぼの林しか無いのだから静かだ。

S「あっ流れ星！」

M「どこどこ？あっまた！」

S「お願いした？」

M「うん。さくらんぼの茎が結べるようになりますようにって。」

二人でクスクス笑いあって夜が更けていく。



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