ヒモのしょーちゃん２

しょーちゃんとプール ページ35

S「ねええぇぇ、プール！！」

夕食後、コーヒーを入れるべくキッチンに立つ俺の後ろで我が家のおねだり大臣が大暴れ中。



M「だから！今度のお休みにスポーツジムのプール連れて行ってあげるって」

それなら法人会員だから安いし。

S「だから！翔は浮き輪に乗ってカクテルをチューってしたいの！！」



んも〜ボーナスもまだだし、夏物のスーツだって必要なのにホテルのプールなんて無理。

M「じゃあもうちょっと暑くなったらね」

公民館の屋外プールが解禁になれば浮き輪も確か貸し出してくれるしごまかせる…

S「やーなーの！！今！いま乗りたいの！！」

さすが大臣、ダンダンと華麗なわがままステップでゴネまくる。



あーもうッ！！何か土産でも買ってくれば気をそらせたのに。土産…あっ。

M「翔、お土産あるよ？はい、カップ持って行って？」

S「潤、お砂糖とミルク…」

M「いいから」



ブラックコーヒーのカップを２つ、ソファーに運ばせて、俺は鞄から箱を取り出す。

Aちゃんにもらったマシュマロ専門店「やわはだ」の箱。

S「わぁ！猫ちゃんの絵〜お菓子？」

作戦通り？食いついた翔が箱を開ける。



M「うわ。カワイイ…」

中に猫のマシュマロが二匹と肉球のマシュマロが４つ。思わず俺が言っちゃったよ。

S「え？なんかゆった？」

M「え？なんか聞こえた？ほら、どうぞ。コーヒーに入れると美味しいよ。」


ぽちゃん。


肉球をひとつ翔のカップに入れてやると、一瞬沈んだあとポカリと浮いてゆるゆる溶けていく

S「あぁっ！！もったいない…」

翔のまんまるなおめめがカップから離れなくなる。


そーうだ。


マシュマロの箱を手に取ると、猫ちゃんを一匹つまみ出し、カップに近づける。


S「ちょっと！その手離して！！イヤ、離しちゃダメ？イヤ、離して！！」

飛びついてくる翔から箱ごと遠ざかって

M「わがままばっか言うと、猫ちゃんコーヒー風呂に浸けるよ。プール。どうすんの？」

S「…う。暑くなるまで待つ…。」


どうだ！営業部の好感度３、イジワル兄さんの実力を見たか！！

ちょっと大人しくなった翔を膝に抱き上げて


M「ん。いい子。じゃあ浮き輪だけ買ってあげようか？」

S「やった♪お風呂で遊ぼ♪」

まったくわがままばっかり…

ん？俺が甘やかしているせいか？







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