ヒモのしょーちゃん２

しょーちゃんと柏餅 ページ30

M「ただいま〜翔、お土産！」

S「わぁい♪なになに？」


俺から箱を受け取った翔がウキウキとリビングへ行ってしまう。

…あ、おかえりのチューがまだ。


S「あ！桜餅〜」

M「翔、それ柏餅だよ？色が違うでしょ」

やっぱり知らなかったか、とお茶を入れながら笑ってしまう。

翔はたぶん(どこの国かは知らんが)海外生活が長くて、こういうの意外と知らない。

だから教えてやるのがちょっと楽しい。


S「ん？翔、知ってたよ。葉っぱも食べるんだよ！大家さんがゆってた」

M「だからそれは桜餅。柏餅の葉っぱはマズいよ。普通のあんこと味噌あんがあるから」

S「どっちが味噌？翔、味噌がイイ」

M「えーっと、葉っぱがツルツルのが普通でザラザラが味噌。」

中表って言ってもわかんないもんね。


S「いたーきまーす！うッ。潤〜逆だよ」

M「ごめんごめん。じゃ俺のまだ食べてないからとりかえっこ。」

S「ん。ん！しょっぱ甘〜♪」

俺は翔の食べかけ。うん。どうりでまろやか。


M「今日はね、男の子の日なんだよ？」

S「３月に女の子の日があったよね？」

ベタベタの翔の手を拭いてやる。柏餅って葉っぱをはずすタイミングが迷うよね。

M「柏の葉っぱはね、新しい葉っぱが出来るまで古い葉っぱは落ちないで残ってるの。だから男の子にちゃんと跡継ぎが出来ますようにって、お餅を食べるんだよ？」

S「ふーん…」

何故かそれを聞いて
翔は柏餅を箱に置いてしまった。

M「ごちそうさま？あ、オーブンで焼いても美味しいんだよ。焼いたげよっか？」

S「…あのね、潤。」

M「ん？」

S「潤は跡継ぎ、いいの？翔、潤が大好きだけど赤ちゃん産めないし。」

あ〜そういう事ね。はいはい。

M「潤のお家はね、潤のお姉さんがお婿さんをもらって、もう赤ちゃんもいるんだよ。だから、俺は翔がいればいいの。」

S「ホント？いつでもゆってね…翔、相葉の所に行く約束してるから。」

相葉(白目)まだ殉職してなかったのか！

M「ダメ。絶対離してあげないからね。相葉に約束断って。」

S「…わかった。」

M「それと。」

S「え？」

M「おかえりのチューがまだだよ？」

S「…わかった(笑)」


今日のチューはちょっとしょっぱ甘い味。


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