ヒモのしょーちゃん２

しょーちゃんのティータイム ページ28

M「…？」

うん。なぜ２つ？

外はしとしり雨降り。再び寒さがぶり返したキッチンのテーブルの上には２つのポット。


S「コー」

右のポットから液体をカップに入れて一口。

S「ん〜もうちょっとかな？チャ」

左のポットから注いで一口。

小首を傾げるのは可愛いけど、もう15分は経っている。


M「あのさ、ナニしてんの？俺のお茶まだ？」

S「ちょっと待って…うん、コーチャ！」

ずいっとカップを俺に差し出す。

あのそれ、さっきまで翔がさんざん口つけたヤツだよね？ま、別にいいけど。


カップを持ち上げると確かに紅茶の香り。

S「おいし？ね、おいし？」

M「まだ飲んでないし(笑)これナニ？」

S「コーチャ！」

満面の笑みをニマーと浮かべる。

M「ロイヤルミルクティーっぽい味だね。でも色は茶色だし…これナニ？」

S「コーヒーと紅茶でコーチャだよ！」

M「あ、カタカナね。おいしいよ？」


S「やったあ！それ世界にひとつの翔ブレンドだよ？」

だろうね。もう同じのは作れないだろうね。


M「翔のコーチャは？」

S「…だって世界にひとつだもん」

首に手を絡ませるから



M「ひと口飲む？」

苦笑しながらカップを差し出すと

S「飲ませてぇ」

唇を突き出す。


外はまだ降り止まぬ雨。首筋に触れる翔の指もヒンヤリ冷たいから

M「しょうがないな…おいで？」

エアコンを片手で入れて、もう片方で翔を抱き寄せて唇を合わせる。

ロイヤルミルクとは違う甘さが身体に流れこんでキッチンは雨音とキスの音だけになる。



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