ヒモのしょーちゃん２

しょーちゃんとガーダスープ ページ27

M「ッたく…。」

真っ青な顔でベッドに横たわる翔。


ため息をついて、冷蔵庫を開けるとトマトをザクザク切って卵をほぐす。

ボウルに小麦粉を入れ、少しの水でポロポロの天かす状に箸で混ぜる。

ガーダスープのガーダは固まりの意味。
ウェイパーで簡単に作ったスープが沸騰したらボウルのガーダをバサッと一気に入れる。

プカプカ浮いて小麦粉に火が通ったらトマトを入れて、卵を流して味つけ。今日は三つ葉を散らしてみる。



M「二日酔いは病気じゃありません！起きなさい！」


布団をひっぺがす。


昨夜はスーパー大野の新歓会。知念君と言うやけに可愛らしい(もちろんウチの翔には負けるけど)久しぶりの男の子の社員が入り、盛り上がったみたいだ。

というのは、残業だった俺が着いた時にはすでにベロベロに酔っ払った翔と知念が大野の取り合いをしていて


あれだけ翔をよろしく頼むと言っておいた加藤はパートのおばちゃんに絡まれてるし


S「智君は翔のなの〜！」

「僕の方が大野君といる時間長いし。」

O「やめなよ〜オイラは二人とも可愛いよ〜」


ヘラヘラとビールを注がれながら眉を下げる大野君を知念に突き飛ばして

M「ほら、翔帰るよ。」

S「やぁ〜！翔は智君とお泊まりなの〜」

「えっ！ズルい。僕も泊まります！」

またバトルを始めた二人を急いで隔離して翔を担いで帰ったから飲み会の詳細は知らない。



S「う〜気持ち悪い〜」

テーブルにまだ突っ伏す翔の前に、ガーダスープを置く。

M「ちょっと食べないと。」

すいとんより粒が細かいからトロリと飲みやすいはず。たまには外の飲み会も楽しいかなと思って行かせたんだけどね。

S「…あ、すっぱうま。」

やっと翔の顔色も戻ってきた。


俺もスプーンを取って一口。

M「飲み会、楽しかった？」

嫌み半分で尋ねると

S「楽しい訳ないじゃん。」

ふくれっ面で答える。ま、知念君とやけにバトってたもんな。

S「今度は絶対潤も一緒だよ？」

へ？俺も？俺、大野君はあんまりタイプじゃ…

S「潤はいっつも翔と一緒じゃなきゃダメなんだからね！」

M「それって…。でも翔もたまには他の人とお酒飲んだりしたいでしょ？」

S「そんな事ないよ？翔は潤だけだもん。」

M「だって知念君と」

S「あ〜アレ？だってあの子からかうと可愛いんだもん♪」

…小悪魔。

ま、俺が一番ならいっか。

M「おかわりは？」

空のカップを手に取って微笑みかける。


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