ヒモのしょーちゃん２

しょーちゃん美文字を目指す ページ25

M「ふぃ〜」

日中は汗ばむ陽気、晩飯の後の風呂が気持ちいい。冷蔵庫から出しておいたミネラルウォーターをぐびりとしながら

M「翔、まだ寝ないの？」

もう風呂も終わり、いつもなら寝室で黒猫と喋るかテレビを見てる翔に声をかける。

S「ん〜翔、やることあるから。潤、ひとりでネンネ出来る？」

テーブルに向かってなにやら書いていた顔を上げる。

M「ひとりでネンネ出来ないのは翔でしょ？何書いてんの？」

椅子の後ろからキュッと抱きしめる。

テーブルの上には懐かしい方眼紙とボールペン、えーナニナニ？

M「…皆様のご健勝をって何コレ？」

S「翔ね、美文字になるの♪」

嬉しそうに振り向いて笑う。

ま、俺も他人のコト言えないけど。ところで

M「このペン習字セット高価だったんじゃない？おこづかいで買ったの？」

俺も実は今取り寄せしてるんだよね〜そろそろ着いても良さそうだけど。

添削付きだから翔の小遣いで買える金額じゃない気がする。

S「コレぇ？今日ね、知らないおじさんが家に持ってきたから、ちょうどイイと思って。」



…うん。やっぱり。それ俺のだよね。

俺のものはキミのもの。

キミのものはキミのもの。

ジャイアンか。




S「潤もやりたかった？またおじさん来たら、翔が頼んであげよっか」

うん。だから、それ最初に俺が頼んだヤツ。




M「潤もやりたかったな〜じゃあ一緒にやろっと。ちょっと失礼。」

S「え、あ、ちょっと、潤？」

アタフタするジャイアンを膝に乗せて、ペンを握った右手を重ねる。

M「…早く。翔が動かさないと潤も出来ないよ」

S「書きづらいよぉ」

真っ赤になって固まっちゃった。

かーわい。

S「ね〜じゃあもう一個頼んでやろ？」

クリクリのおめめをうるませるから

M「ヤダ。イイじゃん。一個で一緒にやろ？ほら、皆様のご健勝を…」

S「こしょばい〜潤！」

ちょっと美文字になるには時間がかかりそうかな？


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