しょーちゃんと続・藤の契り ページ22
S「翔もやりたかったのにぃ」
ぶんむくれた翔を乗せて、昼下がりの池をボートで進む。
だってちょっとやらせたら延々クルクル回ってるんだもん。ボートの貸し出し時間が終わっちゃうよ。
M「まあまあ、ほら焼きチョコベイクどうぞ」
あごで最近の翔をお気に入りを示すと
S「…食べさせて。」
んも〜ワガママなんだから!お前の前世はお姫さまかい?
一度オールを上げてゆっくり舟の真ん中へ
M「ほらあーん。おいしい?」
S「おいちい!」
つい甘やかしてしまう俺はさしずめ従者かな…なんて思いながら、庭園の中ほどに作られた茶室の脇にボートを進める。
S「わぁ〜お水に映ってる〜ほら潤、見て見て」
池に張り出すように咲く藤の巨木が紫の花房をゆらゆらと誘うように動かす。
M「見てるよ(笑)だいたいネットでこの写真見て来たんだから。ほら、落ちるよ!こっちきな」
翔とのお散歩スポットを探してたら、平安時代の貴族の邸宅だったここの写真を見つけて。なんでかわからないけど来なくっちゃって。
茶室は今日が公開日では無いから、ここへはボートで池から来る人しかいない。
藤の下にボートを寄せると
M「おいで、翔。」
胡座をかいた上に翔を乗せる。
S「いいの?お外だよ?」
キョロキョロと周りを見渡す。
M「今日はお茶室やってないから大丈夫。ほら、おいで?」
ずりずりと背中から翔を抱き寄せる。
M「いいお天気だねぇ〜ねぇ潤にも焼きチョコあーんして?翔?え?どした?」
抱きしめた俺の腕にぽたぽたと涙がこぼれて。
S「…なんかわかんないけど。潤、どっか行かない?ずっと一緒?」
振り向いてエグエグ泣くから
M「当たり前でしょ!泣かないの。
翔がどっか行っても絶対探してやるんだから…
だってほら、やっとまた来れた」
S「え?何がほら?誰かと来たの?」
ん?俺なんでそんな事?やっと?
M「いや初めてだけど」
S「浮気者〜っ!」
パッタリ泣き止んだ翔が髪をグイグイひっぱる
M「イデデ!止めなさい!坊主になっちゃう」
S「なればイイじゃん!そしたら浮気できないし!ニャーッ!」
暴れて舟が揺れるから
M「こら!おてんば姫!」
笑って唇を塞ぎ、指をそっと絡めるとやっと大人しくなった。
S「…翔、姫じゃないもん」
M「どうかな〜お家に帰って脱がせてみないと」
S「…潤のえっち」
M「はいはい何とでも!帰るよ!」
再び春の陽だまりへオールを漕ぎ出す。もうここへは来なくていい気がした。
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千翔(プロフ) - ひゃー( ´艸`) 今回もかわいいですね! しょーちゃん♪ 次の更新も、楽しみにしてまーす(^_^)v (2014年5月28日 18時) (レス) id: 978e8f34d8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ(プロフ) - *はな*さん» 星明かりだけの中なんで、照明持参でどうぞ! (2014年5月18日 7時) (レス) id: afc9116f09 (このIDを非表示/違反報告)
*はな*(プロフ) - ザ・セット回転しやがれ〜!…って真似されてましたよね♪今回は綺麗なスイーツのお写真が沢山で嬉しいです♪ イケメン二人が浴衣で散策してる所を…木の影から見ていたい。( 〃▽〃) (2014年5月18日 5時) (携帯から) (レス) id: 2a82fe1f9f (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ(プロフ) - 彌生さん» はじめまして!お山ラバーの方に楽しんでいただけて嬉しいです。謎…ですよねぇ~決めてないだけなんですが(笑)おいおい出るかもしれませんのでお楽しみに。 (2014年5月12日 9時) (レス) id: afc9116f09 (このIDを非表示/違反報告)
彌生(プロフ) - はじめまして!いつもはお山に棲息してます。ここのしょーちゃんが可愛くて、すっかり虜になっちゃいましたぁ♪そんなしょーちゃんをこよなく愛するJもステキだし。でも、何だか訳ありなしょーちゃんの謎がとっても気になってます。これからもヨロシクですm(_ _)m (2014年5月12日 9時) (レス) id: 9c607b9682 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆみ
作成日時:2014年3月12日 17時