ヒモのしょーちゃん２

しょーちゃん、お花屋さんに行く ページ11

M「あ、ここか！」

今日は翔を連れて、会社の女の子に聞いたスープカレーの店にやってきた。

住宅地の中、人がひとりやっと入れる位の路地にポツンとブルーのドア。

S「ここ、お花屋さんみたいだよ？」

翔が鼻をペタッとガラスにくっつけて中をのぞく。入り口に小さな貼り紙。

…カフェへお越しのお客様は一階を通り抜けて二階へどうぞ。

イヤイヤ、どうぞって。なんか男性ががっつり仕事してるし、やっぱり店間違えてないか？

S「二階だって。おじゃましま〜す！」

古ぼけたドアを勢いよく開けて、翔がずんずん中へ入っていく。お前、すごいな…

「いらっしゃいませ」

オーバーオールの男性が振り返って微笑む。

S「大人ふたり、スープカレーください！」

なんだ大人ふたりって(笑)

「あ、カフェはあちらの階段を上がって二階なんですよ。良かったら見ていきませんか？」

よく落ち着いて店内を見渡すと、花屋にしては切り花が少ない。シックな木製の棚に小さな鉢植えや、ガラスボトル、アンティークグッズも並んで…

M「これアンティークですか？売り物？」

「それは僕の趣味で(笑)ウチはもともと造園業で盆栽とかが専門なんですが、僕の代からワークショップやインテリアグリーンも始めたんです。」

M「こーいうのカッコいいけど、俺サボテン枯らした事あるんですよねぇ」

ガラスボトルに入った美しい多肉植物の寄せ植えを手に取る。

「あ、これボトルブーケっていってブリザーブドフラワーみたいな枯れないグリーンなんですよ。」

へぇ…それなら

M「ね、翔。どうかな？一個買ってみようか」

S「うん！翔、これ欲しい！」

そうだろうそうだろう。フィーリング合いまくりっての？

ふと後ろを振り返るとお兄さんのオーバーオールをがっつりつかんでいる翔。

M「ちょ、ちょっと(汗)すいません…翔、お洋服は後。先にこっち。お部屋にどれ置こうか」

S「え〜どれでもイイ…」

ふてくされんなや！

３つほど選んで食事をした後、お目当ての？店へ。

S「茶色のオーバーオール！お兄さんの！」

M「えー普通のがイイよ。着てみ」

試着室に押しこむ。

S「ど？」

コレは…

M「かわいいじゃん。ポケットもいっぱいで便利だね。」

後ろからスッと腕を回して、胸当ての脇から手を差し入れたら

S「そこポケットじゃないよ// 」

M「知ってる。早くお家帰ろ？」

試着室のカーテンの影で真っ赤な頬にキスをする。

.

しょーちゃん・ド・警部→←しょーちゃんとハムケツ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す