49、賢い猫 ページ12
「あ、人使だ」
「御友人ですか？」
「はい。やっぱり待っててくれた」
まあ、『出来れば待ってて』って言った時点で、きっと待っててくれるだろうと思ってたけどね！
「あれ、あの猫…」
「えっ、猫ですか？」
「ええ。貴女の御友人と遊んでる三毛猫」
見えない。遠すぎる。人使のところに何かいるのが辛うじて判るレベルだ。
それが見えてるって事は、敦さんの個性って目が良くなるとか、そういう感じのなのかな。
「すみませんが、私にはよく見えませんが…その猫が何か？」
「いえ、多分知ってる人かな？と思っただけです」
……人？
まあ、知ってる猫より知ってる人の方が違和感がないとかそういう感じかな？
突っ込まなくて良いでしょ。
「A」
「やあ人使！やっぱり待っててくれたんだね！私は嬉しいよ！」
「五月蠅え。寒かった。後で何か奢れ」
「はいはい」
感動も何もない再開である。
だけど、私の名前を呼んだ時、かなり心配そうな目をしていたりする。
だから私は、少しおどけて返事をする。
「用事」の首尾がどうだったかなんて、これだけで通じる。
「あ、本当に三毛猫と遊んでたんだ。
凄いですね、敦さん」
「凄くはないですよ。ただの、い…個性の付属品ですから」
え、遠視がメインの個性じゃ無いのか。
遠視だけでも有用なのに、それ以外も出来るとか凄いな。
どんなのなんだろう？身体機能を底上げするとか、そんな感じ？
まあ、特別推薦だし、凄い個性なのは間違いないよね。
それより、この三毛猫、何処かで…
「遊んでた、というより、遊んで貰ってた、だな。
ぼんやりしてたら来てくれた。お陰で退屈はしなかったし。頭が良いんだろう。
賢そうな顔してるしな、この猫」
「ああ！確かに凄く賢そう！まるで…」
『＿＿、か？』
『嗚呼、賢そうな顔してるだろう？』
唐突に、太宰と織田作の会話が浮かんだ。
三毛猫の事を言ってたんだっけ。
褒め言葉を云うのが苦手な奴でも、猫には云えるのか、と呆れたものだ。
それだったら自分の部下をもっと褒めれば良いのに、と。
でも、確かに賢い猫だった。
客が来たらすぐに退いた子。
「よし猫さん。お手」
「お前、流石に野良猫にお手って……」
「でも、やってくれたよ。人使」
教える事なく、一度でお手が出来たから、カメラマンになってくれたあの子。
「先生……？」
その子を、そう、太宰は呼んでいなかったか。
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モナミ(プロフ) - 星を見守る砂岩さん» またコメントして頂けるなんて！ありがとうございます！私のイメージの中の心操君なので、少し不安だったのですが、カッコいいと言って頂けて嬉しいです！ (2018年7月31日 12時) (
レス) id: 9deaa88755 (このIDを非表示/違反報告)
星を見守る砂岩(プロフ) - 心操くん、かっこよすぎでした。お友達になりたい。更新頑張ってください！ (2018年7月30日 17時) (レス) id: fbc86b6b3a (このIDを非表示/違反報告)
モナミ(プロフ) - 晴夏 and Siki and Leonさん» ありがとうございます！ここから頑張りますので、これからもよろしくお願いします！ (2018年7月30日 8時) (レス) id: 9deaa88755 (このIDを非表示/違反報告)
晴夏 and Siki and Leon(プロフ) - ハハ、早く続き見たいです。 (2018年7月22日 21時) (レス) id: aeb99a7d73 (このIDを非表示/違反報告)
モナミ(プロフ) - 星を見守る砂岩さん» 凄く嬉しいです！ありがとうございます！期待に添えるようにもっと頑張ります！ (2018年7月8日 21時) (レス) id: 9deaa88755 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モナミ | 作成日時：2017年10月22日 7時
