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今日も、お店にAがゆきのちゃんと来てくれてる


俺は今日、Aをデートにさそう決意をしている


動かなきゃ何も始まらんからな!


けど…なんかめちゃめちゃ落ち込んでるんよなー、Aが


まさか、失恋?




「んで?彼女が出来たって報告聞いて、ショックで家飛び出して?」


「目黒に家まで付き添って貰っちゃった…」



や、やっぱり失恋なんか!?


気になるけど俺には聞けへんよ




「…あのさ、自分の兄ちゃんに彼女ができてそんなにへこむ妹いないよ?」


呆れた顔をして、ゆきのちゃんがAに言う




『え?A、失恋したんやないの?』


思わず口から驚きの言葉がついてでてしまう



「わ、康二!盗み聞きは良くないってー…」



あーあ、今度はAに拗ねられたやん


でも良かった!Aの失恋は俺の失恋でもあるからな!!



「阿部先輩に彼女かー。さぞかし素敵な人なんだろうね」


「…知らない」


「ねー、なんでAが落ち込んでんのよ。あんたらただの兄妹じゃん?」


ゆきのちゃんが励ましてんのか、呆れてるのか分からないという感じで落ち込むAに声をかけてる



「そうだけど…亮平、あんなにモテてても彼女作んなかったのに…なんか亮平が変わっちゃったみたいで悲しくて」


そういうAの顔はほんとに悲しそう


「阿部先輩だって普通の男子高校生なんだし、彼女の一人や二人、つくりたくなるって」


「…うん、そうだね」



Aに、また少し笑顔が戻った




よし、いまや!


『A!』



「康二?どうしたの?」




『今度、俺とデートしてくれへん?』



店内がシーンとなったのが分かる

アカン、声大きすぎた



「へ?私?」


Aは、びっくりして硬直してしまっている



「いいなぁ、ずるいよAー。ほら、返事は?」


ゆきのちゃんが、せかすようにAにいう



精一杯の勇気をだした言葉


心臓がぎゅっとなって、潰れてしまいそうや


でもな、ずーっと友達のままなのも、嫌だった



俺の想い、うけとってくれるかな






「…いいよ?」



少しはにかみながら言うAは、最高に可愛い



『っ、ほんまに?』


「ほんまに!」



お店を出るときには、最初は暗かったAも、すっかり元気を取り戻していた


「じゃあ、また連絡してね」



かくして、俺とAのデートが決定したんや!!

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作者名:ばにらもなか | 作成日時:2021年9月25日 9時

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