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【you side〜】
後ろから抱きついて来たせいで最初は誰だか全く分からなかった
藤井君に抱きしめられ、なんとか心を落ち着かせてから顔を上げ、犯人の顔を見ると
そこには、同じ部署の先輩であり
そして、私が入社した当時に指導員として側にいてくれていた人”相坂さん”だった
「相坂さん…?」
『っ…なんなんだよ…俺っ、アイツから藤井が帰ったって聞いてたのにっ…』
青「アイツって、琴音さんのことですか」
『っ…そうだよっ』
青「やっぱり、関わっとったか
…説明、してもらえますか
いや、してもらわんと困るわ」
相坂さんは地面に顔を伏せ、焦った顔で話し出した
『琴音はっ俺に言ったんだっ…
言うことを聞いてくれたら、給料も、地位も上げてあげるって…
だから、何でも聞くって答えたらっ…
佐々木の後をつけてなんて言われてっ…
目的なんて知らないけどっ、給料も地位も上げてくれるんだったらって思って…
それで何度か後ろをつけていくうちにっ…
…後ろ姿を見てるだけでっ…
綺麗な髪とっ…細い体がっ…
はぁっ…はぁっ…
そっ…それでっ…ポストに…俺のっ…』
青「その口を今すぐに閉じろ…
…なんや、金と地位に目が眩んで結局の果てには先輩の…
女性の体まで目が眩んでしもうたんか?
ほんまっ…究極のアホやな」
気持ち悪い
話していくにつれて息が荒くなっていくのが気持ち悪い
青「…大丈夫やから」
「…うん」
藤井君が強く抱きしめてくれるのが、どれだけ落ち着くことか
鞄の中からも、相坂さんに聞こえないように小声で大丈夫と言ってくれているダイキとジュンタ
大丈夫、私には味方がいる
支えてくれる人がいる
これで安心して過ごせる…
『これで終わるわけないでしょ?』
「…琴音…さん…?」
神様、何故私は
こんなにも不安に見舞われるんでしょうか…
幸せって…何なのでしょうか…
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作者名:火華 | 作成日時:2024年1月6日 16時