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無事に(勝手に)任された仕事を終わらせることが出来た
ダイキを鞄の中に入れ、デスクの上の照明を落としてから部屋を出ると、廊下の照明が私の動きに反応してつく
…はずだった
照明を落とし、ドアノブに手を伸ばそうとした時
ドアに飾られたプラスチックの窓から、廊下からの照明が突如漏れ出した
この会社の廊下の照明は、人の動きを感知して、自動的に照明がつく仕組みになっている
つまりだ
今、廊下に私以外の誰かがいるということ
しかも、こんな時間に
「ダイキっ…?」
赤「警備員とかちゃうんか?」
「…この時間に警備員は巡回しないの…」
一応、この会社に勤めてだいぶ経っており、しかもこの時間まで仕事をすることが多々あったためよく分かっている
この時間に警備員は必ず巡回には来ない
…なら、誰?
「か、帰ろっ…」
赤「…おんっ」
私は少し早歩きで、カーペットが引かれている廊下で足を動かした
だが、突如とカーペットが無くなると、
私の靴音ともう一つ、自分のペースに合わせるように後ろを歩いている足音が聞こえてくる
コツコツコツ…
その後ろに
コツコツコツ…
赤「………早よエレベーターに」
「分かってるっ…」
コツコツコツ…
後ろから
コツコツコツ…
エレベーター前に着いた私は、連打するように下に行くボタンを押した
すると、足音は止んだ
きっと、顔を見られないように隠れていると思う
恐怖に怯えつつ、足音の消えた静かな空間に、チーンとエレベーターがこの階に着く音が聞こえた
ドアが開くと、私はすぐに乗り込み、また閉まるボタンを連打した
1階に着きエレベーターを降り、警備員室でウトウトしている警備員に挨拶をすると、私は駆け足で駅へと向かい帰った
あの後から、今日は一応、後ろをついてくるようなことはなかった
なんて、帰ってジュンタに全てを話してみたら、
黄「っっっっ…………今日はAの隣で寝させてや…」
と、言ってきたため一緒に寝ました
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作者名:火華 | 作成日時:2024年1月6日 16時