白と黒の人形たは幸せにしてくれるらしい【赤黄】 (ページ40)

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【37】ページ40

赤「なー…まだ終わらんの？」

「後少し…少しだから…」

周りに誰も居ないことを確認して、鞄の中から出てきたダイキ

赤「どう考えてもおかしいやろ？

ほんまにお母さん倒れたんやったら、この量2人に分けて頼んだりするやろ？

なんでAにだけ…

期限が明日までとか…この量とか…ほんまありえへんわ…」

「いいの、どうせ嫌われ者なんだから

今までもそうだったから」

ミスばっかりで治らなくて

周りからは嘲笑われて

急いでるからとか何かしらの理由をつけて私にいつも仕事が回ってきた

頼まれた仕事でミスしたら、全部私のせいにされた

何度も何度も怒られて

また笑われて

そうしたら、面白半分かのようにまた仕事が来て

毎日が辛かった

楽しい仕事が送れるなんて新社会人の時に思っていたあの生意気な気持ちはどこに行ったのかも分からない

「…でもね、ダイキ

私、幸せなの

相変わらずこんなことしてるけど

今横で私のこと支えてくれてるダイキと

家で待ってくれてるジュンタ

それに、私の我儘に付き合ってくれてる藤井君

3人が居てくれて、幸せなの

相変わらず、2人から何度もいじられるし、藤井君からは私が先輩なのに何度も色んなことを教えてくれるけどさ

…こんなの、今まで無かったから

すっごく、幸せなの

……すごくっ…っ…」

気づくと、冷たい一粒の涙が、頬を伝っていた

ああ、本当に、幸せなんだ

赤「ひひっ…泣いとる姿、ほんま似合わんわ」

「うるさいなぁ…」

はい、と鞄の中に入っていたハンカチを渡してくれたダイキ

「…ふぅ、よし、頑張って早く帰ろ？

ジュンタも待ってるからさ」

赤「ん、じゃ、俺は横で見張っとるわ」

「なにそれ」