白と黒の人形たは幸せにしてくれるらしい【赤黄】 (ページ36)

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【番外編3】ページ36

2月14日、そう

バレンタイン

女子にとっての一大イベント

今日も会社に来ると、女性陣らがチョコやらを渡し合い

その脇で男性社員達は少しニヤニヤした顔で女性陣らを見ている

もちろん、その中に藤井君は含まれていない

さて、私ですか

毎度おなじみかのように、女性社員達からチョコが回ってきません

それもそのはず、私はほぼ仲間外れのようなものですから

…だが、今年は違う！！！

「はい藤井君、いつもありがと」

そう言って渡す、チョコ

勿論、手作り

しかも、ほぼ始めて

星方のデコレーションを少し乗せてみたという、小学生も作りそうなシンプルな物

青「ええんですか？」

「勿論だよ」

青「ありがとうございます、ホワイトデーにお返しさせてください」

「別にいいのに、でもありがと」

たった少しの会話

しかも、相手はいつも話している藤井君

義理チョコで作ったはずなのに

ちょっと心の奥が熱いというか、なんというか

…

ほら、集中、佐々木A

義理チョコ、そう、私は藤井君に義理チョコを渡した

…うん

……

………

…………

黄「…帰ってきてからずっとぼーっとしとるよな」

赤「誰からもチョコ貰えへんかったからやろ？」

「……うん、けど半分違う…気がする」

黄「何やねん半分って」

「……いや………何でもないかも」

黄「何やねんほんま…」

赤「なぁなぁ、俺らのチョコは！？」

「………んー」

赤「なぁっ！！！！なあなあなあなあなあなあ！！！」

「……」

赤「…Aっ？えっ…と…」

「……ふふっ……用意してあるから」

私は一度藤井君のことを忘れようと決めた

このよく分からない気持ちは一度置いておく

「はい、この赤いカップがダイキで、黄色なカップがジュンタ」

黄「Aにしてはええ感じの出来栄えやん、ありがと」

赤「んまぁぁ！！！」

「いやもう食べとんのかいっ」

ちょっとずつ綺麗に食べるジュンタと

口にべっとりとチョコをつけるダイキ

…手作りのチョコを美味しそうに食べてもらうのって幸せ

…また来年、作ってみるか