白と黒の人形たは幸せにしてくれるらしい【赤黄】 (ページ34)

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家に帰るやいなや、ダイキはソファの上をひたすら跳ねて

ジュンタはテレビをつけて難しそうなクイズ番組を観ている

青「先輩、手伝いますよ」

「本当？じゃあこれとか切ってくれれば…」

なんて、キッチンで藤井君と横並びで料理を作るなんて思ってもいなかった

スーツを脱ぎ、ネクタイを外し

首元のボタンを外して、腕まくり

その横顔は、いつも見る藤井君とは一味違った

青「…先輩？」

「あっ…ん？」

青「ずっと俺のこと見とって…何か付いてますか？」

「ふふっ…何も」

青「そうですか」

こんなにもかっこいいのに、ふにゃっと可愛らしい笑顔

だからと言って、料理に戻ると真剣な眼差しに

…かっこいい

本当に、心の底から思った

ほんとうに…

「痛っ…」

青「あっ…血出とる…」

少しぼーっとしていたら、包丁で指を切ってしまった

青「貸してくださいっ…」

そう言った藤井君は、私の手に手を添えて、指を蛇口に近づけた

青「痛いかもしれへんけど、我慢してください」

水を流し、傷を洗い流す

青「大丈夫ですから…ダイキくん、ジュンタくん、お願いやけどガーゼとバンドエイド持って来てくれへん？」

赤「んー？なんかあったん？」

青「先輩、包丁で切ってしもうたみたいで」

黄「ぼーっとしとったんやろうな

ちょっと待っとき」

2人は飛んでいくと、2人で救急箱を持ちながらこっちにやって来た

黄「ガーゼはこれ、バンドエイドは…これでええやろ

あ、薬はこれな」

青「流石ジュンタくんやな」

赤「ちょっ、こんなおっもいの持って来たんやから俺にも褒めてや！？」

青「せやな、ありがとなダイキくん」

赤「ひひっ…おんっ…！」

水で洗い流していた指にガーゼを巻いて血を止め

薬を付け、絆創膏を貼ってくれた

「ありがと…藤井君…」

青「傷、小さくて良かったです」

また真剣な顔からふにゃっとした笑顔に

…あれ、私

もしかしたら

藤井君に惚れたかもしれない…？

「うんっ…ありがとねっ…」