【19】 ページ21
あの資料室で意識を失った私
次に目を開けた時に見えたのは、見覚えのある天井
自分の家だった
「あれ……」
青「先輩…？目覚ましたんですね…よかったわ…」
「……藤井君？」
青「ごめんなさい、勝手に家なんか入ってもうて」
「私…確か…」
青「はい、資料室で倒れてました
あんな寒くなっとったら…
……この付箋が無かったら…どうなってたことか…」
見せてくれたのは、黄色い付箋に少しぐちゃっとした字で書かれた”資料室”の3文字
どうやら私は、資料室であの後意識を失ったらしく
この付箋を見た藤井君が助けに来てくれたそう
青「でもこれ誰が書いたんやろ…」
私が資料室に行く事を知ってるのは部長と…
……ジュンタ？
そう言えば資料室に向かう前に…言ったような…
青「…あ、そういえば鞄の中勝手に見させてもらったんですけど…
可愛ええ人形入ってましたね」
「あっ…うん…」
青「きっとこの人形が教えてくれたんやろうなぁ〜」
多分…図星…ジュンタかもしれません…
「なんで…そう思うの…？」
青「んー…なんかそんな気したんですよ
家の中にお邪魔させてもらうために鞄の中から鍵を探そうと思ったんですけどね？
この人形が鍵を握ってたんですよ
…正確に言えば引っかかってたんかな…？
でも俺、まるで先輩のこと助けて欲しいって言うてるような気がして
それで、きっとこの人形が先輩の居場所も教えてくれたんやないかって！」
「ふふっ…」
青「あぁ…！先輩やっと笑ってくれた！
俺、先輩の笑顔ほんまに好きなんですよ！
元気になってくれてほんまに良かったぁ…」
「ありがとね、藤井君」
青「いやっ、それはこの人形に言ってあげてください！」
「んー…じゃあ2人とも？」
青「へへ、嬉しいです！」
いつも会社で見るような完璧な藤井君ではなく
メルヘンな、ほんわかとした藤井君を初めて見て
しかも、助けてくれて…
ちょっと藤井君の事が気になってたり…
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作者名：火華 | 作成日時：2024年1月6日 16時
