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『いらっしゃいませ』



声をかけて来たのは、黒いエプロンに真っ白な肌、ぷるんとした分厚い唇の男性

ここの店員だろうか



『初めてですよね?』

「あ、はい…たまたま見つけて」

『そうでしたか、こんな時間までお仕事ですか?』

「まあ…残業で…」

『お疲れ様です。よければゆっくりご覧ください』



後これも、と渡された一杯のコーヒー

一口飲むと疲れた体がコーヒーで生き返る

言われた通り、ゆっくりと店内を見てみると、ここはどうやらアンティークショップのようだった

小物から家具やらあり、興味が湧く



『実は、これ全部俺が作ってるんですよ』

「え、そうなんですか?」

『自分で言うのもアレなんですけどね』

「凄いです、こんなに」

『なんか照れるわ…』



2人で笑っていると、私はとある物と目があった

窓際に座った2体の人形

一体は黒い羽と黒い服を着た悪魔

もう一体は白い羽と白い服を着た天使



『それ、2体でセットなんです。最初はバラバラで売ろうかなって思ったんやけど、どうしてもセットがええってなって。2体を見とると、一緒がええ!って言うてきてるような気がして』

「そう…なんですね…」



…欲しい、2体を見ていると、心の中でそう強く思ってしまう

ただお金がそこまで無い

…また来るしか……



『…もし良ければ、お金は頂きませんよ』

「えっ…?でも…」

『その代わり、2人の事を大切にしてあげてください。きっと、お客さんの事を幸せにしてくれると思いますよ』

「いいんですか…?」

『もちろん』



私は2体の人形を手に取った



『良ければ、名前付けてあげてください』

「分かりました。ありがとうございます…!」

『いいえ、お構いなく。また来てくださいね』

「もちろんです」




私は渡された紙袋の中に人形を入れ、店を後にした






『行ってらっしゃい。2人とも』

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設定タグ:WEST. , 重岡大毅 , 中間淳太   
作品ジャンル:ファンタジー
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作者名:火華 | 作成日時:2024年1月6日 16時

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