白と黒の人形たは幸せにしてくれるらしい【赤黄】 (ページ1)

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『佐々木っ！！！お前は何回ミスをすれば気が済むんだ…』

「申し訳ありませんでした…」

隅々まで報告書の文面を確認し、訂正箇所が無い事を確認した上で提出しているのにも関わらず

提出をすれば部長に呼ばれて、この有様だ

『もう一度直して持ってこい』

「はい……」

投げるように報告書を返され、私はデスクに戻る

部長のデスクから自分のデスクまで少し距離があるため歩いていると、周りの女性社員からは私への”ご意見”が聞こえてくる

『ほんと何も出来ないよね、佐々木さんって』

『ほら、佐々木さんに聞こえちゃうでしょ？』

『あんな人が指導員って、藤井君大変だろうね…』

『藤井君が佐々木さんの指導員になればいいのにね？』

…そうですよ、何も出来ないですよ

おかげでこの部署の女性社員全員での飲み会も誘われないし

プロジェクトもほぼ任してくれないし

…たまーに虐められるし

「…何も出来ないですよーだ……」

いつも食うショックと共に自分のデスクに伏せると

必ずかのように彼が励ましてくれる

青「大丈夫ですよ先輩。先輩は先輩らしく居ればええんですから」

藤井流星、私の後輩であり、そして癒しの塊

一応立場上では私は彼の指導員ではあるが、女性社員の言う通り、ほぼほぼ藤井君が私の指導員のようになっている

落ち込んでいると、必ず個包装のチョコを渡してくれる

そして、かっこいい笑顔付き

…よし、やる気が出た

私は返された報告書をもう一度直し始めた

…もちろん、藤井君に教わりながら………