18 Birthday 【黄】 (ページ38)

今日:4 hit、昨日:5 hit、合計:5,450 hit

＊ページ38

【Tomohiro.K side〜】

お嬢様が外に行っている間、俺は照史の元へ向かった

緑「照史ー、おるか？」

橙「ああ、モンチ…」

緑「お嬢様が起きたからご飯作ってくれるか…？」

橙「おん…軽めのものでも作るわ…」

緑「ん…よろしく…」

…

そっと生まれた静寂と、その中で響くまな板に包丁が下ろされる音

……

橙「…なぁ」

緑「ん…なに…？」

橙「神ちゃんはここの旦那様と奥様の正体…知ったんよな？」

緑「おん…吸血鬼…やろ…？」

橙「そっか…なら今から俺が言うこと、そんなに驚かんかもな」

緑「どういうこと？」

橙「実はな？…俺も吸血鬼やねん」

緑「…そう…か…」

なんかもう…お嬢様の本当の姿知って…淳太が死んで…

驚きって感情がどっかに行ってもうた…

橙「俺は元々人間でほんまにホテルのシェフしとったんやけど…まあ、後輩に恨まれて…心臓を包丁で…な。そしたら…生まれ変わって人間から吸血鬼になってもうて…」

俺は静かに聞いてるしかなかった

橙「どうしたらええのかわからなくて…そんなとき奥様が俺のこと見つけてくれてな。そっから西園寺家のシェフやってんねん」

緑「西園寺家におった人間は…生贄の淳太と…その代わりの俺だけやったんか…」

橙「俺も黙っとって…ごめんな…？」

緑「ええねん…照史は…」

橙「ありがと……それで言いたいことやねんけどな…？」

手を止めた照史から聞こえた言葉

それは、俺がお嬢様と淳太を助けるための大きな手掛かりになった

橙「…俺みたいに死んでから吸血鬼になる方法があんねん」