森のドラゴンは愛を求め【黄】 (ページ36)

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【you side〜】

結婚式当日

国一番の教会を用意してくれたようで、私はウェディングドレスを身につけながら、自分の顔が映る鏡を見つめていた

…お金も無い、学校にすら行けてない、友達もいない

そんな私に、こんなにも大切な人が出来るなんて思ってなかった

黄「A、入ってもええか？」

ドア越しに聞こえてくるジュンタさんの声

「はいっ…」

ゆっくりとドアの開く音が聞こえる

黄「可愛ええ…似合っとるわ…」

「ふふ…ジュンタさんが選んでくれた甲斐がありました」

黄色のウェディングドレス

黄「それな、デザイナーにAのために作ってもらったんよ

森の中で眠ってた時に見た夢でな、Aがこんなドレスを着とったんよ

…もし、もしもAと結婚が出来たら、あの夢で見たドレスを着てもらいたい、そう思っとってん…」

黄色に輝くドレスは、まるでドラゴンの姿の時に見ていた美しい黄色の瞳と同じ色だった

「…ジュンタさん」

黄「気にいらんかったか…？」

「違うんですっ…あのっ…少しだけ、ぎゅっとしてくれませんか…？」

黄「…よろこんで」

後ろから腕がまわってくると、背中に暖かさを覚える

「私っ…ジュンタさんに出会えて良かった…

人間の姿であろうとも…ドラゴンの姿であろうとも…

私は心の底から…ジュンタさんのことを愛しています…」

一緒に森の中で眠ったあの日のように

今私はジュンタさんに包まれている

森の中から愛を求めたドラゴンは

私の愛する…

「これからお願いします…私の旦那様？」

黄「いつそんな言葉覚えたん…

もちろんやで、奥様」

それから私達は結婚式を終え

共に住み始め

今では2人の子供を持つことに

幸せな日々を送っているが、これだけは忘れてはいけない

誰しも、”愛”を求めているということを

fin…