森のドラゴンは愛を求め【黄】 (ページ18)

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【Akito side〜】

翌日、日が沈んだ頃

俺はドラゴンがいたとされるあの呪いの森の前に来た

日が出ている間に戦いなどしたら周りの国民に迷惑が及んでしまう、そう思ったからだ

腰にはしっかりと研いだ剣を刺した

橙「ふぅ…行くで…」

息を吐き、俺は森の中に足を踏み入れた

厚い雲のせいで月明かりが全く無い

頼れるのは手元にあるランプのみ

この国の騎士団長という名をいただけたものの、やはり人間は人間

心の奥ではほんの少し恐怖心があった

ただここで引き返すわけにはいかない

俺はただ森の奥の奥へと足を進める

少し歩くと広がる広場のようなところに出た

橙「…どこにおんねん……」

歩いても歩いても見つからない例のドラゴン

もう少し奥に進もうかと思った時

黄「っ…アキトっ…」

俺の後ろから声が聞こえてきた

しかも、俺の名前を呼ぶ声が

後ろを向くと、そこには黄色い瞳をこちらに向けてきたドラゴンがおった

橙「なぜ…俺の名前を…？」

黄「……知らんでええ…

…それで……俺を倒しに来たんやろ…」

橙「話が早いわ。物分かりが早い奴なんやな」

黄「…別に」

橙「なら、早よ始めるか」

俺がそっと剣を構えた時だった

赤「なら、俺が見守っててやるわ」

その声は国王様のものやった

橙「国王様っ…何故こんなところへ…」

赤「何故って…この目でそのドラゴンが倒されるのを見たかったからやな？」

黄「っ……」

何故だろう、何故か変な感じがする

このまま戦ってはいけないような

なんと言うか…

赤「ほな、早よ始めよ」