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太陽が上がり、山と山の間から輝かしい日が指す頃
市街地から離れたところに、ポツンと１つボロボロな家が立っている
その家から出てきたのは、継ぎ接ぎの服を着た少女のA
彼女には親がおらず、お金も無いため学校にも行けないまま何年も経ち、親が残してくれたこの家で今は1人暮らしている
家から出てきたAは、家の隣にある小さな畑に向かった
畑には、細くて短いニンジンが出来ている
Aにとってはこれで十分なご馳走
土に埋まっているニンジンを抜き、水で土を洗い、Aはニンジンを頬張る
山の隙間から差し込んでくる陽の光を浴びながら自分の作ったニンジンを食べるのがAの楽しみの１つ
そしてもう一つ
「ふふ…皆んな来てくれたんだね」
Aの側に現れたのは3匹の動物達
緑色の瞳の鷹、青色の瞳の狼、桃色の瞳の兎
鷹はAの肩に乗り、狼はAにピッタリとくっつき、兎は座るAの足に乗る
学校に通えていないAには友達と呼べる人達がいない
そのため、この動物達がAにとっての唯一の友達なのだ
狼がすりすりと体をAになすりつけると、兎は嫉妬したかのように暴れる
それを見た鷹がいつものように止めにかかる
少ししょんぼりとする兎と、定位置に戻る狼をそっと撫でると機嫌が良くなったのか2匹一斉にすりすりとなすりつけてくる
これがAにとって1番の楽しみ
今日もまた1日が始まっていくのだ
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作者名：火華 | 作成日時：2023年12月2日 2時
