あけおめ ページ41
.
「ほら、行くよ！」
リ「……んん」
楽屋のソファで寝ている肩を揺さぶる
年末年始、いつも以上に働き詰めの彼は
劇場ではずっとこんな感じで
今更言うのも野暮やけど
マスクの使い方間違ってるで、絶対。
目に当てられてるそれをずらして
手を引き上げ＿＿
ようとした
「っ、ちょ！」
リ「＿＿ あったか」
寝起きと思えない反射神経で
まんまと腕に閉じ込められる
すんすん、と髪に当たる吐息がくすぐったい
リ「はい、Aも寝ような」
「ちゃう！初詣！」
リ「明るくなってからでいいやん」
「バチ当たるから！」
仕事柄、神社でカウントダウンは無理にしても
なるべく早く行っておきたい
「とりあえず離して！ここ劇場！」
リ「誰もおらんって」
「そういう問題やな＿＿！？」
目が合った。そりゃもうばっちりと
は「ご、ごめんなさい！今年もお願いします！」
………。
気の利いた返しが出来ないまま
エレベーターが閉まる音がした
はじりくん、君は悪くない。
.
リ「混んどるな」
「そりゃね」
リ「とりあえずお参りな。フラフラせんでや」
石段を登り終えてもなお、
流れに身を任せ参拝に並ぶ列へ続く
リ「なあ、あれって、」
「＿＿ あ 」
列の先頭が見えて来た頃
外れた場所を見ている視線を辿ると
一人で歩いている男の子
周りに保護者らしき姿は無くて
見失う前に駆け寄った
「僕どしたん、パパやママは？」
『っママぁ……ぅゎーん、！』
「え、ごめんごめん！」
リ「あーあ、Aが泣かせた」
言うてる場合か
キッと睨むけど将企も同じ目線までしゃがんで
リ「逸れてもうたんか。怖かったな」
と、頭を撫でて落ち着かせている
元々彼は子供好きなのだ
あっ、あった！
その間にカバンをガサガサ漁って
ようやく見付けた一枚のシール
「これ、好き？」
『ぐすっ ＿＿あかれんじゃー』
差し出したそれを見つめる目から涙が止まった
あ、かわいい
「ふふ、あげる！」
『、ありがと』
ハンカチで涙を拭ってあげている間に
彼の左手は将企と繋がって
『おねーちゃん、こっち』
シールをポケットに入れた小さな右手は
私と繋がった
リ「んじゃママ探すか」
(なんでそんなん持っとったん)
(たっちゃんに青レンジャーが出るまで買わされた。笑)
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 604人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もなか(プロフ) - 充電完了！移行します(いや、誰が見てんねん)！かつてない程休憩を頂きましたが熱量は変わってないのでご心配なく！卒業ライブも最高でしたね！移行するにあたり気掛かりなのは…「チーフ？○○＿」が思いつかん！(何でもええからとっとと移行せえ！)次の連休目標で…！ (2022年4月18日 21時) (
レス) id: 3a12feba59 (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - さぁやさん» 泣きそうになるくらい温かいコメントをありがとうございます。私も上手く言えませんが…とても幸せ者だなと感じました。5の後どうするかまだ未定ですが、どちらにしても良い終わり方と思って頂けるお話を目指します。引き続き、お付き合い下さい！ (2022年3月27日 19時) (レス) @page50 id: 3a12feba59 (このIDを非表示/違反報告)
さぁや(プロフ) - 最近ますます仲良しな2人にキュンとしています。資格もおめでとうございます！！続編も楽しみですし、できればこれからもお話を読みたいですが、もなかさんの気持ちが１番大事だと思うので。。無理せず頑張ってください！うまく言えないですがずっと応援しています。 (2022年3月22日 23時) (レス) @page47 id: 7c2c3df9a2 (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - りまさん» 正直まだまだ未定ですが、5弾でも引き続きお付き合い頂けると嬉しいです。こんな呟きを発見してくださり(笑)ありがとうございます！ (2022年3月22日 22時) (レス) id: 3a12feba59 (このIDを非表示/違反報告)
りま(プロフ) - 最終回まで見届けたいと思います。さびしいですけど・・・ (2022年3月21日 18時) (レス) id: 05beb7e26c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もなか | 作成日時：2021年9月13日 0時
