(2) ページ49
.
自分がこの場に居るのは夢、というか幻で
本当は誰にも見えてないんじゃないか ＿＿
と思う程にテンポの良いやりとりと
拍手や笑い声も起こっていたけど
……間違いない
もりしの言葉は私に向けられたものだろう。
そのままの体勢で首を振れば
盛「あかん？見せられへん顔してる？」
苦笑いで見下ろしてるのが想像出来るけど…
こんなん反則やん
ずっと涙が止まらんくて
足に力も入らんくて
しゃがみ込んだままでいると
ふわっと、よく知ってる匂いが鼻をかすめて
リ「擦るな擦るな。明日腫れたら嫌やろ」
リリーにポン、ポン、と涙を拭われた
「……っ、袖、汚れる」
リ「どうでもえーわそんなん＿＿ん、立てる？」
雄「ほら荒川も。稲田と一緒に渡すんやろ？」
荒「Aさぁんっ、おがえりっなざい…っ」
稲「お帰りなさい、！」
「＿＿ ありがと」
いつの間に準備してくれてたんやろ
可愛い後輩から大きな花束を渡される
2人が泣いてくれているのを見て
自分はしっかりしなければと
もりしからマイクを向けられた時には
冷静になることが出来ていた
お客さんと顔を合わせるのが凄い違和感、だけど
「……すみません、ありがとうございます。
えー、これからも皆さんに喜んで頂ける
面白い公演がたくさん出来るよう
演者と一緒にスタッフも頑張りますので…
改めて、よろしくお願いします、！
気を付けてお帰り下さい」
お辞儀をキッカケにまた拍手が返ってきて
やっと、劇場に帰ってきた
帰る場所があるって本当に幸せだ。
.
リ「マジで家に飾るんこれ」
「大丈夫と思うんやけど」
帰り道、花束を手にして当たり前のように
隣を歩いているのはやっぱりリリーで。
リ「明日って朝からおるん？」
「うん。当たり前やん」
リ「明後日からもずっと？」
「復帰してんもん。そりゃそうやろ」
わかりきった質問に淡々と答えるけど
リリーはニコニコとしていて
エレベーターを降りて部屋の前で花束を受け取る
リ「大丈夫？、離すで」
「ん。ちゃんと持った」
リ「今日はゆっくり休んで。んじゃな」
なんてサラッと帰ろうとするから
両手が塞がってる今、
考えるより先に声を出した
「待ってっ ＿＿ ちょっと、上がっていかへん？」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 477人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「芸人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もなか(プロフ) - Shellyさん» お忙しい中いつもありがとうございます。チーフの普段と違うギャップと、やはりお相手に転がされたいという作者の趣味がありまして…笑 4でも引き続き、よろしくお願いします！ (2021年9月13日 0時) (
レス) id: 3a12feba59 (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - Shadyさん» お待たせいたしました……！本当にやっとですね。続編の方でも新しい展開は模索中ですが、引き続き2人を見守って頂けますと幸いです。 (2021年9月13日 0時) (レス) id: 3a12feba59 (このIDを非表示/違反報告)
Shelly - 最近バタバタしててようやく最新話読めました…！もうキュンキュンが止まらなかったです！！！肝心なところで喋りが下手になるチーフ！！可愛いです……新シリーズ楽しみにしてます！！ (2021年9月11日 5時) (レス) id: cabdf66ae6 (このIDを非表示/違反報告)
Shady - 早速最新話読まさせて頂きました！主人公とリリーさんがやっとくっついて良かったです！新しいシリーズの展開も引き続き楽しみにしています！ (2021年9月5日 10時) (レス) id: a07b54dd9c (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - きゃばりあさん» 暗めの話がやっと明けまして、きゅーんっとなって頂けていたら嬉しいです(笑)小説に関してはド・初心者も初心者なので、これからも多々予定外なことがあると思いますが…完走目指します！いつもいつも嬉しいコメントをありがとうございます。 (2021年8月29日 23時) (レス) id: 3a12feba59 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もなか | 作成日時：2021年6月14日 0時
