いつもの ページ7
.
「大したもん無いで？」
リ「ええよお酒あるし」
結局Aの家で飲むことにした
化粧を落としに洗面所へ向かう後ろ姿に断って
冷蔵庫に酒を詰め込んでいく
食器棚からいつもと同じグラスを2つ出して
つまみを並べたところで
部屋着になった彼女が戻ってきた
「全部入った？」
リ「ん、あと美味そうやったから勝手に出した」
「どーぞ。味薄いかもやけど」
お互い好きなペースで飲んで
Aの作り置きを食べて
たまにテレビにツッコむけど、ほぼBGM代わりで
くだらん話して笑って
でも沈黙も気にならない
この時間が好きやし
自分に必要な時間やと思う
リ「これ、旨いな」
「ホンマ？ あ、チーズあったんちゃうかな」
リ「……。」
改めて聞くんもダサいし、ちょっと気まずいし
何でもない感じでいくなら今な気がして
キッチンに向かって問いかけた
リ「なあ、次その人といつ行くん」
「んー？とりあえず予定送ったとこ」
リ「、俺も行こかな」
もちろんそんな事せんけど、冗談やけど。
呟きは彼女には届いていなかったようで
チーズの他にも色々抱えて
鼻歌交じりに戻ってきた
「これこれ。リリーさん好きやろ？」
リ「ん。好き、 ……、」
「どしたん」
よく見ると目元の化粧が少し残っていて
経緯も知っているから余計に目について
テレビ台の引き出しから
お目当ての物を1枚引き出す。
荒川から貰いそびれたメイク落としシート
Aがたまに使ってるから場所は把握している
リ「目、瞑って」
「もうお風呂入らんと落ちひんて」
リ「いいから」
閉じられた瞼をなるべく擦らんように
ゆっくりと拭い取る
頬のとこもちょっと残っとるし…
リ「きれーきれー」
「ふっ何それ。もう良い？」
目を開けた顔はいつもと同じ
普段通りの、自然体で
俺が好きな＿＿ A
手間のかかりそうな凝った髪型も
絶対私物じゃない上品なスカートも
いつも以上に目が大きく見える化粧も
しているところをほぼ見たことが無い口紅も
全部ちゃんと似合っとったけど……
断然、こっちの方がええな
「次芋いこっかな、どうする？」
リ「ん。付き合う」
今日のところは
2人でいつもの時間を ＿＿
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 509人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もなか(プロフ) - きゃばりあさん» とっても嬉しいコメントをありがとうございます！続編でも相変わらずのんびりした関係性の2人かもしれませんが…引き続きお付き合い頂けると嬉しいです。 (2021年4月6日 1時) (
レス) id: 3a12feba59 (このIDを非表示/違反報告)
きゃばりあ - 初めまして！50話更新おめでとうございます！もなかさんの作品が更新されると、楽しみでわくわくしながら拝読しております。ひとつに絞れないくらいどのお話も好きで、今後の展開も気になります^_^また第2弾も楽しみにしています。応援してます！ (2021年4月3日 0時) (レス) id: 44c92ed02e (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - めるたむさん» 小ネタへの嬉しいご意見、ありがとうございます！とりあえず今、続編にて再掲載を決めました(笑)これからもたまにUP出来ればと思うので本編共々、よろしくお願いします！ (2021年3月31日 2時) (レス) id: 3a12feba59 (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - 湯豆腐さん» 勿体なさすぎるお言葉をありがとうございます。まだまだ知識不足ですが、なるべく皆さんのイメージを壊さないように作っていこうと思うので…相変わらず亀更新なこの小説を、これからもよろしくお願いします！ (2021年3月31日 2時) (レス) id: 3a12feba59 (このIDを非表示/違反報告)
めるたむ(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます！小ネタの内容もとても好きだったので落ち着いたら再び掲載してくださると泣いて喜びます！これからも楽しみに待ってます！ (2021年3月29日 20時) (レス) id: 41803ac6ba (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もなか | 作成日時：2021年2月1日 0時
