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恥ずかしくなって、
おしぼりでまだ熱い口を押さえながら、
下を向く。
すると、すっと腕が伸びてきて、
俺の頭をぽんぽんと撫でた。
「大丈夫だよ、何でもかんでも無理しなくて、十分にジョンウはかっこいいし、素敵な人だよ」
「無理はしてないですけど、」
「そぅ？笑最近目に元気がなかったんだけどなぁ…」
「……エスパーかなんかですか」
「あははっ、そうかも笑」
笑いながら、俺の頭を撫で続けるヌナの手。
ヌナの口から出る言葉は、
いつも優しくて、俺を幸せにする。
大した言葉じゃないけど、
心が籠ってて。
最近、忙しくて、上手くいかなくて
落ち込んでいたことも、
誰よりも先に気づいてこうやって手を差し伸べてくれる。
自分のが何倍も忙しかったくせに。
そんな優しさに心が暖かくなって、
愛しい気持ちが溢れた。
俺の頭に置かれた手、
ぱっと掴んでそのまま机の上に持っていく。
掴んでいただけの手に、
指を絡ませて、
ぎゅっと握れば、
ヌナの手がすごく暖かかったことに気づいた。
「ヌナ……俺、Aヌナのこと大好きです」
「お、珍しい。うん、ヌナもだよ？」
「知ってます…だから、今は、このまま、こうしててもいいですか」
「ははっ、うん、いいよ」
そう言うと、
ヌナは俺の手を親指で優しく撫でた。
小さなヌナの手、
あんまり力を入れれば折れてしまいそう。
いつも俺を助けてくれる、
幸せにしてくれるAヌナ。
だけど、こんなにも小さくてか弱くて、
俺なんかよりもよっぽどすぐに壊れてしまいそう。
今度は、これからは、
俺が守ってあげなくちゃ。
そう思う。
そう、いつも思うけど、
結局いつも守られているのは俺の方。
どこまでも強くてかっこいい。
大好きな俺のヌナ。
「ヌナが守ってあげるからね、もし他の人に甘えられないなら、ヌナに全部甘えてね。たくさん可愛がってあげるから」
「はい、そうします、」
「あはっ、珍しく素直なんだね。うん、そうして」
そう言うと、ヌナの手にぎゅっと力が入るのが分かった。
そんな些細なことに少し嬉しくなった。
暫く、そうやって手を繋いで
どうでもいいことをお喋りした。
心は落ち着いて、
嫌なことも、不思議と思い出すことがなかった。
家に帰って、
ベッドに寝転んだ時、
今日のことが頭を回って、
少し微笑む。
幸せな1日、
また、ああやってAヌナと過ごせますように。
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作者名：もなか | 作成日時：2022年10月4日 12時
