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「ほら、ジフナ、ハルト、」
「俺達も行くぞ！」
「ちゃんと動画残しとかないと、他のメンバーに怒られるからなっ」
「もう別にいいんじゃないですか、ヒョン」
「来ないあいつらが悪いってことで！」
「やぁ、ジフナ、あいつらは来ないんじゃなくて来れないの！」
「たらたら文句言ってないで早く行くよ」
俺たちを捲し立てるように肩を押すヒョンソギヒョン。
叱られたジフニヒョンは、
未だ納得いかないみたいで、
「ちぇー、俺らだけで独り占めできると思ったのに、」
なんて呟いている。
今日、撮影の応援に来られたのは、
ヒョンソギヒョン、ジフニヒョン、俺、
の3人。
他のメンバーは現在仕事中で、
泣く泣く応援に出向くのを諦めた。
そもそも、TREASURE全体でのカムバックも控えてる中、
1日応援に使うなんて方が無理な話で、
俺だって仕事を前倒しで終わらせて、
何とか合わせられた。
きっと、リーダーの2人もそうだろう。
まぁ、何より、そんな中、
自分のソロの準備と撮影、
信じ難いスケジュールをこなしているAが1番忙しいのは言うまでもないけど。
ヒョンソギヒョンに背中を押され、
到着した撮影場所。
まぁ、なんともYGらしいというか。
きらきらと輝く装飾、
証明は少し暗く、
ミラーボールやバーカウンターなどがある所を見ると、
ここはクラブの設定か。
「ルトヤ、あれ、見て」
「はい？」
「なんか、かっこいいねウリAは」
「…ですね」
ジフニヒョンが指差す方。
この、煌びやかなセットの中、
1人佇むA。
ここにいる全ての人の注目を一身に集め、
それに臆することなくカメラに向かうその姿は、
もう俺の知ってるAではない。
メイクも、衣装も、セットも、アクセサリーでさえも、
神々しい程輝いているのに、
Aはそれら全てを脇役にしてしまう。
いつの間に、あんなに綺麗になったのか。
俺が初めて出会った時はあぁじゃなかったはずなのに。
Aのこと、
すごくよく知ってるはずなのに、
あそこで輝くあの人は、
俺の知らない人かのように思えた。
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作者名：もなか | 作成日時：2022年10月4日 12時
