○恒例の鑑賞会 1*DKside ページ43
月に一度、宿舎に見覚えのないダンボールが届いたらそれは合図ともいえる。
『きた〜〜〜!』
「また届いたのかよ…」
即座にダンボールに飛びつくAヌナを見て、隣にいたジフニヒョンが呆れたように顔をしかめた。
『うるさいうるさい!これは私の生きる糧だから!はあ…これの新刊出てたんだ、あ、こっちも…!ああ〜〜!生きれる〜〜〜!』
彼女はグッズを目にするとこれだ。
黙っていれば可愛いのにとメンバーの誰もが苦い顔をする。
ヌナのオタクっぷりはメンバー1であり、このギャップがペンに好かれる理由でもあるから僕たちも見守るしかない。
でも僕の場合彼女と趣味が同じというのは大きい。なんだって関心のないヒョン達を出し抜けるチャンスでもあるからだ。
「Aヌナ、それって前の続き?」
『お!ソクミナ〜!そうだよ〜!見る?見ちゃう?』
「付き合おっかな〜」
付き合いたくても知識のないメンバーが僕たちの会話に聞き耳を立てている事にこっそりと笑ってしまう。
そんな事にも気づかず、嬉々として今回送られてきた物について語りだすヌナはステージで歌う時よりもっとキラキラしていた。
『ほい、これ掛けて』
「ありがとうヌナ〜!」
夏でも冷やしすぎは良くないとタオルケットを持ってきてくれるヌナ。
メンバーも各自部屋へと入り、僕とヌナだけのリビングはすごく静かだった。
『そういえば、前はあんた寝ちゃって大変だったんだからね』
「あ〜、ごめんなさい。今回は寝ないようにす…いてっ」
突然、デコピンをくらって仰け反ってしまう。さすりながら隣を見ると、口を尖らせたヌナと目が合った。
『こら、眠かったら申告制だからね。無理は禁物。わかった?』
「…子ども扱い?」
『もう、風邪引かれたら困るの。子ども扱いもなにもないからね』
「はあい」
『わかればよろしい』
ふふ、と笑いながらテレビの前へ移動して準備を始めるヌナ。
(怒った顔も可愛いって、今言ったら確実に怒るんだろうな)
そんな事を考えながら、前回の鑑賞会では情けない事に寝てしまった事を思い出す。
楽しく鑑賞してたのにいつの間にか寝てしまった僕をジフニヒョンとヌナが部屋まで運んでくれたこと。その事は翌日に同室のメンバーから聞いたのだが…。
(あれから2人がまた仲良くなったし、まあいっか!)
自分でも単純だと思うけど、あの2人が仲良くしてるのは、見ている自分も和むので考えることをやめた。
○恒例の鑑賞会2 *DKside→←○Pとヌナ3 *WZside
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作者名:un | 作者ホームページ:http://privatter.net/u/1230un__
作成日時:2016年5月20日 23時