吾輩はヌナでありヒョンである (ページ5)

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○朝のお決まり1 *JS side ページ5

宿舎の一室、カーテンの隙間から漏れる朝日がそこで眠る人物の目元を照らす。

その陽の光によって、中ば強制的に起床をよぎ無くされるのはセブンティーンの紳士ことジョシュアだった。

ジョシュアは時間を確認しようと手近の時計を手繰り寄せ、見れば起きようと思っていた時間より少し早かった。
だが二度寝するのも時間が許されないと彼は2、3度寝返りを打った後、起きることを決めた。

(まだごろごろしてたい…)

まだ寝ていたい気持ちを抑えてベッドに腰掛ける。
ぬるま湯にいるみたいなまどろみの中、いまだに閉じようとする瞼をこすりながら同室のメンバーの起きる気配がないのを確認するとジョシュアは寝ぼける頭のまま、
自分の朝の務めをこなそうと手近にあった上着を羽織りそっと部屋を後にした。

メンバーの中で紳士と自負するジョシュア。
言わずもがな【紳士】ということでセブンティーン唯一の女の子を起こすのはもっぱら彼の係りだ。
それは今日も例外ではなく、まだ朝だとすら思っていないであろう彼女の部屋のドアを彼は控えめにノックする。

「… A、起きてる？」

この時、返事は期待していない。
むしろ返事が返ってきたら雪でも降るんじゃないかと思うほどだ。
そろりとドアを開け、膨らむベッドに近づけば規則正しい寝息と布団からはみ出た髪が見えた。

「Good Morning、 A～」

「…う、シュアや…」

ベッドの淵に座り、膨らみを何度か揺すりながら呼べば中からくぐもった声が漏れる。
ジョシュアは困ったように笑いながらもその膨らみに顔を近づけた。

ちょっとやそっとじゃ起きないのは彼も重々承知の上。
妹のように、そして恋人のようにジョシュアは布団から出ているAの髪の一房を手に取るとちゅ、と音を立ててキスを落とす。
自分と同じジャンプーの匂いが彼女からするのを確認して、口元がにやけるのを自覚し誰もいないのに口元を隠して優越感に浸るのはもはや癖になっていた。

「A、起きて？」

「…ジス？…あさ？」

「うん、朝だよ。起きて？ほら、布団取るよー」

「んんん～、やだまだも少し…寒い…お願い…」

もぞもぞと動くAの布団を剥がせば、肌寒さを感じたのかAの伸びた手がジョシュアを引き寄せ、その膝に頭を乗せてくる。
ハーフパンツから覗く脚が朝の男子には少々厳しいものがあるが、ジョシュアはそれすらかわいいと思ってしまう。