吾輩はヌナでありヒョンである (ページ33)

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○ペンサは程々に6 ページ33

「よしじゃあ、スングァンに自慢してこよっと」

『ち、ちょっとハンソ…行っちゃった』

(なんて素早い…。)

言い終わるやいなや出て行ってしまったハンソルの背中を見送った後、ベッドに倒れこむと、同時にため息が出た。

( やっぱりハンソルとスングァンって仲良いなあ…。)

同室のメンバーがいることに羨ましさを感じる。一応女の子なんだからとマネージャーから言いつけられて1人部屋なのだけれど、修学旅行みたいな、ああいうの憧れでもある。

ふとハンソルが来てから放りっぱなしだったケータイを取り出す。

なんとなしに動画サイトに上げられた自分達の動画の再生数をチェックしてしまう。
これもまた、アイドルゆえの性なのかもしれない。

開かれたケータイの画面。LINEのアイコンは数十件の通知を真っ赤にして表している。
日本に居る友人へすら連絡も出来ていない程の忙しい日々。
忙しいからこそ自分の身の回りが気になってしまう。

(前にキャミソールの紐であーだこーだ言われたよなあ…)

男として、肩からキャミソールの紐が覗くなんてあってはいけない。
以前、撮影の際にジョンハン達に言われたのを思い出す。
今日のハンソルにはサイン会でいいところ見られたみたいだけれど。

サイン会は楽しかった。けれどペンと息が触れるほど接近するあの場は私にとってすごく緊張するものでもある。

ペンの人達にハルが、自分が女だってバレないようにずっと心の中で願っていた。
1人になるといつも考えてしまうマイナスな事、挙げたらキリがない。

悶々とし始めた時、
また、ドアがノックされた。