吾輩はヌナでありヒョンである (ページ31)

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○ペンサは程々に5 ページ31

『ハンソラはどこから見てもかっこいいなあ…』

「…それはどうも」

順応性が高い彼は少し驚いた後、慣れた手つきで頭を撫でてくる。妹さんがいるから慣れてるんだろうなあとか思いながら、ものはついでにとお腹に抱きついてやる。
宿舎でみんなで使っている同じ柔軟剤の香りと、ハンソルの匂いを胸いっぱいに吸い込んだ。

「息くすぐったいんだけど？」

『ハンソルの匂いかいでる』

「かぐのやめてくれる？…もう、こんなことされるために来たわけじゃないのに」

『ハンソラは私を褒めに来てくれたんじゃないの？』

「それは、…勝手にして」

『じゃあ勝手にする』

「これじゃあヌナってよりも、妹と変わらないよ」

くすくす、笑いが降ってくる。
ハンソラが撫でる手を止めて、私の髪を耳に掛ける。
ごつごつした手の感触にくすぐったくて身をよじるとごくりと喉が鳴る音がして、上を向いた。

「A」

『なにハンソ、ラ』

ちゅっ。

ハンソルの顔が近づいて来て、何か言うまえに鼻先に柔らかい感触。
驚いているとハンソルの整った顔が息がかかってしまうほどの距離にあってドキッとしてしまう。

「無防備なのもいいけど程々にね、ヌナ」

『なんで鼻…』

「違う所期待した？」

『ハンソルのくせに…この、" ませがき "』

「日本語使うのはずるいって、でも悪口なのは分かるよ？あ、今度僕にもぽっぽしてね、ヌナ」

『え？ちょっと、なにそれ』

「スングァンがずーっと言ってる。」

いつかの音楽番組の前にスングァンにしたことを思い出して頬が熱くなる。
照れ隠しにハンソルの頬をぺちりと叩くと笑われてしまった。
なにもかも、年下なのにずるい、と言うと、
あ、と何か思い出したように彼は立ち上がった。