吾輩はヌナでありヒョンである (ページ13)

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○オタクヌナ5 ページ13

『いやー、ありがとうジフン！助かった』

「俺は疲れた」

ソクミンを部屋まで運び終え、2人きりになった私達。
寝る前にとキッチンで水分補給しているとジフンがじっと見てきている事に気づいた。

『なに？ジフン、なにかついてる？』

「いや、…別に」

『ふふ、でか女は見下ろすなって？』

先程言われた悪口をそのまま言い返すと、ジロ、と睨まれる。

( ちょっと意地悪かったかな…)

「しゃがめ」

『は？』

「ちょっとしゃがめって言ってる」

『なに、わかったからしゃが、む』

しゃがもうと膝を曲げた矢先だった。
突然、勢い良く首に腕が回され支えきれず後ろに倒れてしまう。
それでもなんとか起き上がり、抱きつくジフンを見下ろす。

(しゃがめって、この為か～！)

身長差のある為、こうする為には仕方ないと咄嗟に言葉が出たのだろう。
なんとか事態を理解するよう、
自分の身体にかかるもう一人分の重みと、肩に埋もれるピンク色を確認した。

『ジフンさん？あの、』

「でか女なんて俺のただの負け惜しみだった。ごめん」

絞り出すみたい出された声。
それと同時に首に回された腕に力がこもる。

こういうところでジフンは繊細だ。
同い年で、なおかつ他のメンバーと違って釜山男子の彼はスキンシップを自分からはあまりしない。
そんな彼の身体を張った精一杯の謝罪にはからずも顔に熱が集まる。

『あ～私もごめんね、言い過ぎちゃった。ジフンが気にしてるのに…ごめんね』

「……別に。俺だって、その」

ジフンの頭を撫で、背中をぽんぽんとあやすみたいにしてやる。
すると首が締まる勢いだった腕の力がするすると抜けていくのが分かり、ちょっと笑ってしまった。

『ねえ、ジフナ～？シャワーしたばっかりだからすごいいい匂いするんだけど』

「…な！あ、ほ！嗅ぐな！真面目に言ってんのに！」

ゔ～と唸りながら離れると、水をがぶ飲みする。どんだけ喉渇いたのか。

『あはは、耳！そんで顔真っ赤！ジフンはやっぱりそうでないと～！』

「や、やっぱりお前はばかだ！」

捨て台詞みたいに吐き捨てながら、座ったままの私の頭を叩く。
耳まで真っ赤にした彼と内心ドキドキが収まらない私。

この距離感が楽しくてドキドキして。
私達は朝方まで、お互い笑いながら言い合いをしていた。