ツンデレなペットを飼うことになりまして。3 (ページ8)

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105. 海side ページ8

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｢ほら、早く入って着替える。｣

『わ、わかりました… 』

｢着替えたら布団にはいる。ご飯食べれそ？｣

『あんまり…いらない』

｢じゃぁ水分だけでも摂りな？薬ある？｣

『あ…キッチンの棚の2段目に入ってる…』

｢おっけ。ちょっと待ってな？｣

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佐野が着替えてる間にキッチンに向かって
冷蔵庫から水を出して言われた通りに棚から薬と一緒に体温計と冷却シートを出して寝室に向かう。

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｢着替えた？入るよ｣

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寝室にゆっくり入れば俺に言われた通りに着替えた彼女はもう布団に入ってぐったりしていた

やっぱ辛かったんじゃん…無理するから。

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｢大丈夫？｣

『う…ん、ごめんね』

｢だから謝るのなし。ほら辛いけど起きて薬飲んで熱測れ｣

『うん…』

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ゆっくりダルげに起き上る彼女の背中を支えながら
水と薬を渡してから

薬を飲んでから体温計を渡して測っている間に
佐野のおでこに冷却シートを貼る

『へへっ…至れり尽くせりだね…』

｢バカ言ってないで体温計ちょうだい｣

はいと渡された体温計を見れば思わず絶句

38.2°…

｢お前…｣

『小笠原…今日はもう帰って？
うつしちゃうから…ありがとね…？』

｢は？こんなん一人残して帰れないだろ？｣

『子どもじゃ、ないんだから…大丈夫だよ、ね？』

｢…じゃぁ、もう少しだけ居るから。
お前が寝たらちゃんと帰るから｣

『絶対、だよ？』

｢はいはい(笑)人の事はいいから
病人は寝てください｣

『 …あ、あとね、…』

｢ん？どした？｣

『このこと…稜雅には言わないで？
心配…かけたくないから…』

｢…はいはい。わかったから寝な？｣

『うん…おやすみ』

｢おやすみ｣

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そういった途端安心したかのように小さな寝息を立てて眠りについた

やっと寝てくれた

しんどそうにしてまで口を開けば全部人の事

人の心配ばっかり。

本当に、お人好し…

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赤く染った柔らかい頬を人差し指で優しく撫でる

たった一本の指が軽く触れただけで指先から熱が伝わった。

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｢こんな時くらいあいつの代わりにならせてよ…｣

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弱ってる彼女をこんな間近で見ているせいだろうか

普段は絶対制御している心の不死がほんの少しだけ漏れてしまった自分らしくない行動も

今日ぐらいは許して欲しい