彼氏は狡い人 ページ21
『はぁ〜っ!!なんか今日は凄い日だったな…』
湯船につかりながら舞踏会であったことを思い出す。みんなと踊ったこと、食べた料理のこと…ポルさんの告白とトーニョからの告白…。
色々あったけど、想いが重なったときは夢じゃないかってくらい嬉しかったな…。異次元トリップして推しが彼氏になるなんて普通じゃありえないもん。
『…こんなに幸せでいいのかな…』
ス「ええんとちゃう? 」
『え?…って何でトーニョは脱衣所にいるの?!!』
ス「ロマーノの着替え取りに来たんや。子供に戻ったんやけど、ぶかぶかな俺の服着たまま歩きたくないらしいし、裸は嫌や言うから俺が来たんや」
駄々こねるロマーノの姿を想像してみるとまぁ可愛いこと笑
ス「 ……なぁA…」
『なに〜?』
ドアの壁にトーニョの手が置かれぼんやりと影が映る。
ス「…何でもないわ!ゆっくり入っててな!!」
そう言うとトーニョは脱衣所を出て行った。
何か言いかけてたよね…どうしたんだろう。後で聞いてみようかな…ううん、きっといつか言ってくれるはず。その時まで私は待ってるよ。
ス「おあがり〜!!」
お風呂を終え部屋のドアを開けた先に待っていたのはトーニョ。ていうか何故自然と私の部屋にいるんの貴方は…()
『ごめん、長かったかな? トーニョも入って来なよ』
ス「俺は後で入るわ。それよりもこっち来ぃ? 髪の毛乾かしたるわ」
『えっ、いいよ自分でできるし…』
ス「ちゃうちゃう、俺がしたいんや。せやから早よここ座って?」
促されるままに鏡の前の椅子に座った。ドライヤーの風が私の髪を靡かせトーニョの指が通る。恥ずかしくもあって色んな意味でドキドキする。でも幸せだな。
鏡に映るトーニョの顔は真剣なものだけど時折見せる柔らかい笑みが凄く好き。…一緒にいるからこそ見れる恋人の表情ってやつかな。
偶にトーニョは私の髪を掬いそっと唇を落とす。そして鏡越しに目が合って、流れるような動作に一気に鼓動が早くなる。顔が熱いのはドライヤーの風に当たったからだけじゃないよね…?
ス「……よし、こんな感じでどうや?」
『ありがとう…//』
ス「俺も風呂入って来るわ〜ちょっと待っとってな?」
『待っとってって…まさか一緒に寝るの?!』
ス「嫌なん? 俺は今日はまだ一緒に居たいんやけど…Aは?」
悪戯っぽい笑みを残して部屋を出て行った。こんな言い方されたら拒否できないじゃん…///
本当に狡い人なんだから…。
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偉大なるベンザ様(プロフ) - 1から一気読みしちゃいましたw、この小説今まで読んだ中で一番好きです!!!!体調に気をつけて更新頑張ってくださいね! (2022年9月15日 19時) (レス) @page6 id: 05631b7c6e (このIDを非表示/違反報告)
さばまる(プロフ) - 少し前に見つけたのですが面白くて読み切っちゃいました💦続き頑張ってください! (2022年9月9日 12時) (レス) id: 96293b007d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Amie | 作成日時:2022年8月31日 23時