バルコニーにて ページ15
『はぁ…はぁ…飛び出てきたけど、バルコニーってどうやって行くの?…てかここどこよ』
完全に迷ったじゃん…。走ったり歩いたりで疲れてきた。まだ一曲残ってるのに…。
そう言えば私この建物の構造全然把握してなくない? これじゃ辿り着けないんじゃ…。
『あ、でもこの扉は見覚えある。確か…この先は庭園のはず。…まぁだから何だって話だけど』
言葉とは裏腹に手は扉を開けていて足はその先へと動いた。庭園には誰もいないみたい。
『…さっきは人がいたけど、いないとまた雰囲気変わるなぁ…静かなのも良いかも』
「あれ、Aちゃんやん!そんな所で何してるん?」
バルコニーは庭園に面していたらしく、上から大好きな声が聞こえた
『あ、スペイン! フランスからバルコニーにいるって聞いて向かってたはずなんだけど…迷っちゃって…』
ス「はは!そうなん?ここなら戻って会場右側の階段から来れるで笑」
『嘘?!…とにかく今から向かうから待っててね!』
あ〜恥ずかしい!階なんかあったっけ…どうして気付かなかったんだろう。
『スペイーン!1』
階段を上り歩いて少し。手すりに頬杖をついて景色を眺めるスペインの姿が見えた。
ス「Aちゃん、待っとったで!…ってそんな走ったら危ないで?!」
『だいじょ…うわっ!』
踵に変に体重がかかり、右によろけて転びになったのをスペインが正面から抱き留めてくれた。
ス「…ふぅ〜危ない危ない。大丈夫やった?なんか右足首がくねってなっとらんかった?」
『…大丈夫みたい。ありがとうスペイン…っ///』
立つと私より背の高いスペイン。だけど今は膝を曲げているせいで目線が同じ。至近距離って訳じゃないのに、なんでだろう…ドキドキする。
ス「なら良かったわ…立てるか?」
『うん……あっ!』
ス「っと。…ほんま危なっかしいなぁ。しばらく俺に寄りかかっとき」
スペインが手を取って立ち上がらせてくれたのに、さっきから続く緊張に動揺してよろけた。そこを再びスペインが助けてくれて、今は頭をスペインに胸に預けている状態。
…スペインの鼓動も速い。見上げた顔は少し赤くなってる。…急に意識しちゃうじゃん。
『……////』
ス「…はぁ…あかんわ…///」
『何が?』
ス「…Aちゃんが可愛すぎて…///」
私を抱きしめる腕に少し力が入った。こんなの反則でしょ…//
『っ急に…何…////』
ス「急やないよ、ずっと前から思っとったんや…」
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偉大なるベンザ様(プロフ) - 1から一気読みしちゃいましたw、この小説今まで読んだ中で一番好きです!!!!体調に気をつけて更新頑張ってくださいね! (2022年9月15日 19時) (レス) @page6 id: 05631b7c6e (このIDを非表示/違反報告)
さばまる(プロフ) - 少し前に見つけたのですが面白くて読み切っちゃいました💦続き頑張ってください! (2022年9月9日 12時) (レス) id: 96293b007d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Amie | 作成日時:2022年8月31日 23時