キャプテンの恋人

１４ ページ14

1セット目が終わったところで、ちょうど昼休みも終わる頃。

『キリの良い所で終わりー。さて、授業ですよ』
｢あぁ。｣

里美は自分の席に戻る。

iPadを止めようとしたら、関田が深津先輩に話してるところが映ってた。イヤホンをつけて、音量を上げると、かすかに会話が聞こえた。

2セット目が始まろうとするところで、里美の声が入ってた。
独り言か？姿は映ってないが、呟くような声が入ってた。
『マサ頑張れ、マサ頑張れ』
え、マジ？
これ、良いふうに考えて良いのかな。
普通に嬉しいんだけど。

『マサ！早くiPadしまってよ！授業始まるってば。』
｢え、あぁ、うん。ごめん。｣
『なにニヤけてんの？キモイよ。』
｢は？うっせよー。前向けよ。｣
ニヤけたのバレた。。。恥ず、、、。

部活の時間になってもまだ動画を見てた。
『マサ、もう終わってからにしなよ〜』
｢あ、うん。｣

関田｢何見てるんですか？｣
｢ん？昨日の試合｣
関田｢え！見たいっス！｣
｢あ、これ里美のiPadだから、聞いてみ？｣
関田｢里美先輩！！俺にも見せてください！！｣

コートの反対側にいる里美にでかい声で叫ぶ関田。

『どうぞ〜』
関田｢俺にもデータください！｣

関田がでっかい声で言うから、みんな｢何？見たいって何を？｣と興味津々でiPadを覗きにくる。

古賀｢里美！これお前のなの？みんなで見れるようにしてよ｣
『え、あ、はい！お父さんに聞いてみますね』
関田｢お父さんに？｣
｢DVDにするやり方わかんないから、お父さんに聞くんだって｣
関田｢あぁ〜。｣

練習を始める前、古賀先輩がみんなを集めた。

古賀｢昨日の練習試合、マサをマークされたのは良い経験が出来たと思う。マサは嫌だったかもしれないけどな。でも、点数が取れるのはマサだけじゃない。マサに頼らないで、全員で点数が取れるようにしていこう。3年！舐められてんじゃねーぞ！2年のマサがマークされて俺らがノーマークとかありえないから！｣

円陣で気合を入れて、練習が始まった。

みんなも練習に熱が入っていい感じだ。

アタック練習の時、里美に横からスマホで録画して欲しいと頼んだ。
そしたら、みんな、俺も俺もと。結局全員録画。
里美がLINEの男バレグループで、共有してくれた。

１５→←１３

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す